先輩のカルデアでの一日(SS)

先輩のカルデアでの一日(SS)
  • 1 ぐだ子神 2017-09-30 23:25:35 CDnahNCGcJueaUbZ

    ・マシュが見た、とある一日の様子を描いたSSです、暇つぶしにどうぞ。

  • 2 ぐだ子神 2017-09-30 23:27:50 CDnahNCGcJueaUbZ

     ご無沙汰しております。
     今日は先輩の……もとい、カルデアの日常についてご報告したいと思います。
     最近の先輩はと言うとですね……そうですね、こんなことがありました。


    「おはようございます、ますたぁ♪」

     朝、目覚めた先輩が部屋を出ると、まるで待ち構えていたかのようにニコニコと笑顔の清姫さんがドアの前に佇んでいました。

    「朝からこうして出会えるなんて、これはなんて運命的なのでしょう! いえ、運命ですね?
    なにしろ私と旦那様は赤い糸で結ばれているのですから、当然かもしれませんが」

     訂正します、「まるで」ではなく、完全に待ち構えていたようです……
     以前、先輩の部屋で帰りを待ちわびていた清姫さんに先輩が驚かされた事件がありまして、以降は先輩の部屋への無断の立ち入りは禁止にしたのですが、それからというもの、毎朝このように偶然を装っては先輩を出待ちするようになってしまったのです。
     更には静謐さんまでも遠くからこちらを覗いていたり、後を付いて来ていたりしていますが、それはまた長くなるので今度の機会に。
     静謐さん曰く、なにか危険があってはいけない、だそうですが、それはそれで別な意味で危険な気がしてきます。
     アサシンであるのに姿を隠そうとしないのには、何か理由があるのでしょうか?


     清姫さんの朝の押しかけを無事にかわし先輩が食堂に入ると、とても良い匂いが漂ってきます。
     そうです、料理長になってしまったエミヤさん(赤)と補佐のタマモキャットさんの素晴らしい料理の数々。
     その香ばしい匂いがまた食欲をそそり、食事好きなサーヴァントたちが誘蛾灯に引かれたかのように……
     あれは……主にアルトリアさん系の方々のようですね。
     もの凄い勢いでお皿が積みあがっていきます。今日は大食い大会でも開催しているのでしょうか?
     ……すみません、本当は分かっていながらも、エミヤさんの負担が少しでも軽くなればと、
    有り得ない可能性に逃避してしまいました。
     つまり、毎日大食い大会が開催されているような日常風景が普通であり、エミヤさんの負担は何一つ減っていないのが現実でした。

     そんな風景を尻目に、料理を注文しようとする先輩にキャットさんが特別な料理を用意していました。

    「おはようだ、ご主人。今日はご主人のために精が付いて、快眠快便、筋肉モリモリ、お肌にも良くキャットにもモテモテになる野生の力溢れるスペシャルな料理を用意したぞ!これも主人に尽くすメイドの務め、というやつなのだな。これこそまさに朝飯前なのだワン!」

     これにエミヤさんは苦い顔を隠せないようで、

    『待て、キャット。マスターの栄養管理も我々の仕事のうちだろう。勝手に得体の知れない料理を出すのはやめてくれないだろうか。まぁキミのことだ、安全性や味の面では信頼しているが……いや、待て。その料理はいつの間に用意したんだ!?』

    と困惑したエミヤさんにお叱りを受けたご様子のキャットさん。
     しかし話し合いの結果、これはイケる!ということになり、食堂のメニューが増えたとかなんとか。


     食事を済ませ、食堂を後にする先輩。
     そこへ次に立ち塞がって登場してきたのはネロさんでした。

    「む、そこをゆくは奇遇にも我がマスターではないか!
     丁度良いところに来てくれた!実はな、今エリザベートとどちらがより相手の心を歌で掴めるのか勝負をしていてな。
     歌い比べておるところなのだ……が、困ったことに審査員たる観客がおらなんだ。
     そこで、折りよく現れたのがマスターである!うむ、余のピンチに駆けつけてくれるとは、さすがマスター!
     ということでだな、その栄誉ある役目をマスターであるそなたに任せたいと……なに?今急いでいるからムリであると?
     むむむ……ならば仕方ない。大変残念であるが、残念ではあるが!余の歌を聞かせられないことに涙を呑んで耐え忍ぶとしよう。いや、よい。とても悲しいことだがマスターに無理にとは頼めまい。
     二人寂しく、肩を寄せ合い、互いに慰めあいながら審査員をしてくれる心優しい観客を待つとしよう」

    審査してくれる方がこの後、現れる気がしないのですが……いえ、何でもありません。

    「用事が終わったらいつでも来るがよい、余はいつまでも待っておるぞ。
     まあ来られなくても、せっかく用意した衣装が無駄になるだけだ、気にしなくて良いのだぞ。
     ぜんぜん!まったく!!これっぽっちも!!!」

    あ、ついに先輩が折れました。

    「おおー、良いのか!? すまぬな、さすがは余のマスターである!!では今からたっぷりと余の歌を堪能してゆくがよい!」

    済みません、先輩。私は何も力になれず、無力な後輩です。お許しください先輩。


    後編?に続く

  • 3 ぐだ子神 2017-10-05 22:30:26 CDnahNCGcJueaUbZ

     それから先輩を待っている間、廊下ではちょっとした出来事が起きていました。

     どーん!

    「イタタ……」

    「ちょっと! どこ見て走ってんのよ!?」

     アストルフォさんとジャンヌ・オルタさんが衝突事故を起こしていたのです。

    「ごめんごめん、急いでたからさ。気をつけるよ。あ、大丈夫?」

    「大丈夫じゃない!こっちは頭打ったっての!! ってアンタ、どこまで吹っ飛んで……!?」


     かなり派手な転び方をしたらしく、音は大きく響いて、アストルフォさんは……その。
     大変信じてもらい辛いのですが……派手に宙を浮いたあと、向こうの壁まで勢いよく吹っ飛んで行きました……。
     果たしてどれくらいの速度で急いでいらしたのでしょうか。
     もし先輩がぶつかっていたらと思うと、大変恐ろしい気持ちでいっぱいです。


    「何ごとですか!? まぁ、これは大変です!骨折や内部出血をしている可能性があります、すみやかに処置を!」


     先輩、大変なことが起きてしまいました。事件です。ナイチンゲールさんに現場を見られてしまいました!


    「わぁー! サーヴァントだから大丈夫だって、へーきへーき! ほらほらー、ピンピンして……」


    「消毒!殺菌!切開!切断!切除!」


    「いやぁぁぁー、去勢されちゃうぅぅぅぅー!?」


     アストルフォさんは涙目になりながら自身の無事を訴えますが聞き入れて貰えず、さらにその矛先はオルタさんへと伸び、


    「貴女も処置が必要かもしれません。多少痛かったり生活が不便になったりするかもしれませんが、それも全て治療のため。
    殺してでも生かします。大丈夫です、痛みを感じるのは生きていることの証なのですから」


     何が大丈夫なのか理解できないのは、きっと私だけではないかと思います。


    「まって、私は関係ないわよ!?ほら、私はなんとも無いから、大丈夫です、だから構わないで近づかないでお願い、いやっ、まっっ

    、ちょ、引っ張らないで、なにコイツ、力つよ!?」


    これがいわゆる二次災害、というものなのでしょうか。
    お二人には残念ですが、またしても私に出来ることはなさそうです。


    「悲劇が増えてしまうことが、私には悲しい……ポロロン」


    !? トリスタンさんは一体どこから表れたのでしょうか……







     ネロさんたちに捕まった先輩がようやく開放されたのはお昼過ぎ。
     前から約束を交わしていた黒ひげさんに呼ばれた先輩は、ふらふらとした足取りで彼の部屋へ。


    「お帰りなさいませ、マスター!ご飯になさいますか? そ・れ・と・も・拙者? 今なら限定のフィギュアも付いてきてお得ですぞー!
    んー? 何やらゲッソリしているご様子。何かありましたかな? ここはやはり、最初に約束していた例のモノを見て貰い元気になっ

    て頂くしかありませんな!」


     部屋の前で何やらコソコソしているお二人ですが、何をしているのでしょうか?


    「じゃじゃーん!! これこそ今回の新作、なんとあの人気サークルの新刊ですぞー!!んー!テンション上がってきたぁー!!
    手に入れるのにかなり苦労しましたが、これは期待が持てますぞぉ!実は拙者、まだ見てないので一緒にどうですかな?
    と、思った次第でありまして。……デュフフ、さすがはマスター氏。分かって頂けると思っておりました!では行きますぞ?……おお

    っ!!さすが……生きてて良かった……!!(死んでるけど) やはりこのサークルは分かってる!!どうでござる、どうでござる?

     今度の新作もなかなかのデキであるとこの黒髭、太鼓判を押す所存! マスター、ほらココ、この身体のライン、このサークルの

    最大の特徴が――」


    「あらあら、こんな廊下で出会ってしまうだなんて……またまた奇遇ですわねぇ、ま・す・た・ぁ? もう運命ですわね? ああ、早く祝

    言をあげなくては!」


     何やら盛り上がっている二人に近づいてきたのは……もう説明不要かと思いますが……はい、また清姫さんです。
     ……盛り上がっているのは清姫さんも同じでした。


    「げぇ、きよひー!」

    「そんなに慌てて、どうしたのですか、お二人とも。それとも何か、後ろめたいことでもなさっていたのですか?」

    「何でもないでゴザル!ただ、元気がないマスターを慰めていただけというか、元気付けていた次第でありまして、はい!」

    「ああ、ネロさん達に捕まってしまったばかりに、お気の毒に。でも大丈夫ですよ、旦那様。私が癒して差し上げますから。」

    「はい、はいはーい!拙者も癒してくださーい!女性陣の目が最近冷たくて傷心ブレイクハート中の拙者もヨロシクゥ!!」

    「それはそれとして、今隠したのは何でしょう?本ですか?まさか、私に隠れて如何わしい本を見ていた、なんてことは……」

    「あれあれー?拙者の姿、見えてますー?声聞こえてますかー?もしもーし」

    「私は悲しいです。私という者がありながら、現実ではなく書物にうつつを抜かすなんて……」

    「いやいや、二次元には二次元の良さがあって、むしろ三次元では到底敵わない領域が……じゃなくて、KENZEN!これKENZENな

    本でござるよ!?ちょーっと肌が露出していて過激かなー?って思わなくもないけど、最近の業界ではセーフだから!」


     過激だけどセーフ? 一体どんな感じなのでしょうか? 少し気になります……


    「破廉恥なのはイケナイと思います!ハっ!!」

    「それ別の漫画のセリフー!! って、あっつー!?せっかく苦労して手に入れた新刊を燃やさないでくだちー!!」


     ああっ、如何わしい本(推定)が清姫さんに焼かれています!!


    「だが! そんなこともあろうかと! 読書用・鑑賞用・保存用・布教用と用意している黒髭に隙はないのであった!
    オタクをなめんじゃねぇぞ!!こちとら、人の波という荒波に揉まれて、修羅場をいくつも乗り越えてきた歴戦のオタだっつーの!!

    この黒髭様に手に入れられねぇお宝本はねぇ!!」


     一見、格好良さそうな啖呵を切っていますが、黒髭さんはそれでよいのでしょうか。
     あっ! 黒髭さんの存在感が強くなった隙に、先輩がコソコソと離脱していきます。
     見事なミスディレクションだと感心しつつ、先輩を追いかけましょう!!

  • 4 ぐだ子神 2017-10-05 22:34:44 CDnahNCGcJueaUbZ

    書いてるとどんどん長く……
    次で多分終わり……だといいなぁ(希望的観測

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