【エクステラ】巨神アルテラとの一日【SS】

【エクステラ】巨神アルテラとの一日【SS】
  • 1 shiki 2017-04-23 23:28:02 8jEDxwpfz9Two7bS

    注意:このSSはエクステラの内容に対するネタバレを含みます。みたくない方はブラウザバックを推奨します。

    また1700文字程度と短いです。ご了承くださいませ

    • 7 shiki 2017-04-24 12:21:51 uIGE2GqL02PlncD

      >>1

      追記:
      これは肉体ザビ子さんの一人称視点でのお話でした。記載漏れで申し訳ありません

  • 2 shiki 2017-04-23 23:30:40 8jEDxwpfz9Two7bS

    ああ、新規スレ立てでもgyazoのURLは使えないようですね……
    表示はみなさまお気になさらずに。
    なお、fgoではなくエクステラのSSです。もしダメだったなら管理人さんに削除要望を出しますのでご遠慮なくご指摘くださいませ

  • 3 shiki 2017-04-23 23:32:06 8jEDxwpfz9Two7bS

    ——えっと、アルテラさん?

    「なんですか、我が虜?」

    ——なんで私はいま、急に捕獲されてしまったのでしょう?

    今の状況は、いつもの石櫃で待機していた中。
    ようやく逃げられないように、といった牢屋のような囲いをしなくなってくれていたアルテラが、
    突然前触れもなく、最初の頃に私を捕縛した囲いに閉じ込めてしまったのでした。

    「そうする必要があったからです。具体的には、もう少し人間について詳しくなる必要があると思いまして。調査をするために捕獲しました」

    どうどうと言われてしまいました。確かにアルテラはあまり人間に詳しくないようです。
    知識はあるけどそれだけなんだ、と以前にも聞いた覚えがあります。

    ええと、何を調査するのでしょう……?

    「その、ええと……せ、説明はする義務はありません!貴女は私に従うだけで良いのです。貴女は疑問が浮かんでいるのでしょうが、私はそれを口に出したくありません……はずかしいですし」

    先ほどまでのアルテラはいつものように体育座りしていましたが、
    両手で顔を隠してしまいました。
    いや、サイズがサイズだけに隙間から様子が伺えてしまうというか、すでに真っ赤なお顔は隠れていないというか。

    まあ、私はもともとアルテラの要求には応えてあげたいと思っていましたし、
    別段、構いませんよ?

    「そ、そうですか。では、少し我慢していてくださいね」

    そういうと、アルテラは目を閉じてデータを構築し始めました。
    我慢、とはどういう……

    そう思った時、急に私の着ていた衣装が光を放ち……って!?
    な、なんかアルテラさん、私の礼装、弄ってませんか……!

    「もう少しお待ちください……今は集中が必要で……」

    いやいやいや!どんどん変化していってますが……!
    というかなんだか随分露出が多いというか、生地が薄いというか、なんだこれ——!

    「あ、できました!」

    できましたって?!
    この服、上も下も随分布の範囲が狭いといいますか、あれ、でも頭にはヴェールが掛かってる……?

    あ、これってもしかして、アルテラのアバターが普段着ている……

    「はい。私のアバターが外で活動する際に着ているものをモデルに作成しました。……人間は、お揃いの衣装を着て、信頼関係というか、その、仲の良さを表現するとの情報が……いいえ、貴女は私の虜ですから、別段拒否なんかさせませんし、そんな必要性があるわけでも無かったのですが……」

    あからさまにしどろもどろ、といった雰囲気。

    アルテラが信頼関係の表現のつもりで私にこの衣装を着せたのなら、正直とても嬉しいです。
    ただ、とても美しい体躯をしているアルテラが着こなすこの衣装は、私が着てもあまり似合わないのでは……!というか本当に薄くありませんかこの服……!

    胸元や腰回り位にしか布地がなく、頭からヴェールを付けている私。
    普段はアルテラがそういう服で行動しているのを見ている立場でしたが、これは……

    恥ずかしい!なんというか、これは私にはレベルが高い……!

    「……お揃いの服は、嫌でしたか?ずっと怒ったように真っ赤なお顔です。……やはり、外部から訪れた異郷のモノが着る衣装は、お嫌だったのでしょうか……」

    ち、違います!そういうことは全然ありません!
    顔が赤いのは仕様です!正確には違いますが今は本当に顔が赤らむのを抑えられません!
    嫌だからというか、着慣れない露出量だったからで……!

    「……ふふ、そうでしたか。安心しました。似合っていますよ、我が虜。いつも同じ虜囚の服を着せていましたから、何か違うものをと考案していた中で浮かんだ案だったのです。……やっぱり、かわいい」
    「それに、やはり我が虜は私を信頼してくれるのですね……不安でたまらない気持ちでしたが、調査してよかった」

    ええ、いや、えっと……!
    とても嬉しげな様子を見せるアルテラは私から見ても可愛いのですが、
    私の元の服は……?

    「変換して作成した形になりますから、もうありませんよ?」

    私の服——!
    いや確かに虜囚の服で、あまり大切だったわけではありませんが……!
    うう、これ、ずっとこの服で……

    でもどうみてもアルテラは笑顔です。……この羞恥はアルテラの喜びと等価交換になってしまうのでしょうか……
    魔術師って辛い……!



    そんな、とある日の出来事でした。
    いつかの、消えゆく前に見た、夢のようだった景色の一幕——

  • 4 shiki 2017-04-23 23:34:23 8jEDxwpfz9Two7bS

    感想・批評はお待ちしています。
    できるだけ設定乖離しない口調性格を心がけましたが、ご指摘等あればぜひお願いいたします。
    それではおやすみなさいzzz

  • 5 ジルのマスター 2017-04-24 00:01:27 t0qx2xshrFFb6Z

    執筆お疲れさまです
    不器用なアルテラも可愛いんじゃ〜…育成のモチベがますます上がったよ
    さて、剣の種火の日は……明日か…今すぐには出来なさそうだが…今週中には最終再臨まで終わらせたいな…

    あ、あとお休みなさいです! shikiさん
    素敵なお話をありがとうございます!

  • 6 電王牙 2017-04-24 00:46:00 OWixb6Z6rKvKtQMb

    いいですね!こういった短くサクッと読めて楽しめるSSとか大好きです!
    ありがとうございました!

  • 8 shiki 2017-04-24 12:24:57 uIGE2GqL02PlncD

    お二方感想ありがとうございます。拙作ですがお楽しみいただければ幸いです
    また別の日を更新することもあるでしょうが、
    その時はまた、感想ご批評よろしくお願いいたしますね

  • 9 shiki 2017-04-24 13:41:40 r5ih2Kbdf68MDEUM

    またある日の出来事、更新します。おなじく1700文字程度となります。
    (いぶし滅さんの某イラストを参考にして、勝手に文章化しました。素晴らしいイラストに感謝感激雨あられ……!)
    イラストリンク:ttps://gyazo.com/5c7fa240f145eb76779a64489d5a353a

    • 10 shiki 2017-04-24 13:43:20 r5ih2Kbdf68MDEUM

      >>9

      あの紋章、星の紋章とか言いましたよね……

      ふと、横に立つ英霊アルテラを眺める。
      あいも変わらず美しく、すらっとした容姿で、思わずほぅ、と息を吐きます。ずっと側にいる訳ですが、アルテラの全身に走る白い紋様に目を凝らすと、ふとした思いがこみ上げて来ました。

      なぞってみたい……!

      この紋様、どういう形になっているのか、肌の感触は手とか他の部分と変わらないのか、それとも少し違った感触なのか、温度はどうなのか、今無性に気になります……!

      「……どうした、我が虜。戦闘は確かに終了したが、勝手に出ていいと許可を出した覚えはないぞ」

      この地域の戦闘は今ので終了しましたし、アルテラなら反応できますよね?

      「無論だ。だがここには敵性プログラムは未だ沸き続ける敵地。もうじきかの征服王を含んだ兵達がこの地を制圧するとはいえ、お前を危険には……む、何が言いたい」

      じーっ、と星の紋章を見つめます。
      もうじき全域の支配は完了し、あの石室へと戻るべき時がくるのですが……それまでになんとしても、この紋章に触れたい、なぞりたい……!

      「な、何を急に!そもそもそんな必要性がないだろう!」

      「……うう、そんなに見つめても、許可などでない、出さないぞ。無意味ではないか……!」

      「ああ、煩いな!巨神(私)め……!騒ぎたてるな、そもお前が油断して身体に一度触れさせたが故の事態ではないか……!」

      じっと見つめ続けると、急に慌てだす目の前のアルテラ(英霊)。
      ……あれ、もしかして巨神アルテラ側から何か感情の伝達を受けている……?

      今なら、いけるのではないでしょうか。
      いってしまっても、いいのではないでしょうか。

      むしろこれは、行くしかないのではないでしょうか……!

      「おい、何を覚悟した! 許可など何も出していない、近づいてくるな!」

      でも、今のこの感情、私には抑えられそうもありません。
      だって、この想いは、決して間違いなんかじゃないんだから——!

      どこからか受信した強い感情を胸に、じわりじわりと距離を詰めると、
      焦った反応を示すアルテラ。

      「触れるな……! ダメだ。……そんな顔したってダメです……」

      自分がどのような顔をしているのかはわかりませんが、きっと美味しそうな獲物を目にした猫型動物のような瞳になっているのではないでしょうか。

      だっていつも凛としていて隙がないアルテラです。
      石室で巨神アルテラとお話しするのもスキンシップするのも好きなことですが、だからといってこちら側のアルテラとコミュニケーションをとらない理由になどなりません。

      「……う、そう言ってくれるのは、その、嫌ではないが……で、でも触れる理由になどなっていないだろう……?」

      むむ、なかなか手強い……!
      確かな正論です。思わず停止してしまいました。
      理由……理由……

      ——好きなことをしたい、ということに理由などありません!

      「そ、それは開き直りではないか……!? あ、ダメだと言ってるでしょう、もう……!」

      ひたり、と腕に触れました。
      アルテラの手首にある白い紋様に指先を合わせ、すっとなぞっていきます。
      あ、質感が少し、違うような。他の部分も滑らかですが、なんというかより摩擦係数が少ないというか、するする滑るような感覚。

      「………………」

      対するアルテラは、無言になってしまいました。少し顔も赤いようです。
      それが純然たる怒りの発露でないことを祈りつつ、
      ごめんなさい、最高です、と口にしました。

      「……人間は愚かだな。14000年前から何も変わって……いや劣化してはいないか?」

      ジト目を受けてしまいました。

      う、そんな昔にもアルテラに触れようとした先人が……!
      これは負けてはいられませ——

      「いるか! だいたい私が人間に触らせるようなことがあるか!……お前だから、赦したにきまっている……だろう」

      ——!!
      ありがとうございます、アルテラ。今後ともよろしくお願いしますね?

      「——ああ。お前は私の、虜だからな」

  • 11 shiki 2017-04-24 14:52:00 r5ih2Kbdf68MDEUM

    あああああ、いむら滅さんでございます……!
    お名前ミス本当に申し訳ございません……!

  • 12 ジルのマスター 2017-04-24 20:53:34 t0qx2xshrFFb6Z

    成程あの紋様にはそんな秘密が……では早速マイルームで確n…ゲホンガホゴホグハコホン……何も言ってませんよ(キリッ

    ええ、そして今回も執筆お疲れさまでした shikiさん
    次回もマジ天使な……いえ、素敵なアルテラのssを楽しみにしてますね

    • 13 shiki 2017-04-25 04:28:01 lqub0C58xSEVNVa

      >>12

      是非とも確かめてくださ(ケホケホ
      お楽しみいただけて何よりです。黒歴史レベルで恥辱に耐えつつ、更新いたしますね

  • 14 shiki 2017-04-25 16:29:17 2iZLmSLOy7t8PQ

    ある時の巨神アルテラさん、更新します。1300文字くらいです。短いです。
    (前回のとき、巨神さんは……という話です。言い忘れましたが、前回今回と(多分)独自解釈を含みます。申し訳ありませんがそれを許容できる方にどうぞ。設定乖離ではない……はずです)

    • 15 shiki 2017-04-25 16:32:10 2iZLmSLOy7t8PQ

      >>14

      ——え、ま、我が虜(マスター)……
      きゃーっ!!も、紋章に触りたいって……!!!

      我が虜……なんといけない人なのでしょう。
      そ、そういうことは人間では『破廉恥』と呼ぶのではなかったのでしょうか……!

      以前にも、一方的に触れたり、勝手に私の身体に登ったり……。
      なんというか、こういう人はきっと、スケベ、なのではないでしょうか!

      で、でも別段嫌というわけでも……一方的で許可を得ないことが問題なのであって、触れられることが問題ではないというか。わ、私からだって色々触れてみたいというのにズルい、というか。全くもって卑怯であると言えるでしょう……たぶん。

      これは、幸せな……夢。
      いいえ、正確には私(英霊)が関わっている現在のお話ではあるのですが……。

      全然問題はないので、本当は拒否する理由だってありませんが、私(英霊)は基本的に赤色。つまるところ「敵対者に向ける攻撃的人格」が主ですし。
      正面から受け入れる私(青色)とはちょっと受け止め方が違うといいますか。

      むむ……
      でもこれは、やっぱり受け入れる方が良いのではないでしょうか。我が虜のお願いですし……!
      そう、サーヴァントとして契約している以上、その相手からのお願いには従うのがサーヴァントの務めであるといえましょう!

      『————!!』

      あう、受け入れられる状況ではない、ということは事実ですが……

      『——! ——、——!』

      で、でも、サーヴァントとしての務めでもあるというか、そうしたいと思っているのは我が虜の欲求だけでもない訳で……うう。

      あ、流石は我が虜……?

      追い詰められ、慌てている私(英霊)を夢みるように眺めている私(巨神)。
      ああ、やっぱり、大きい体というのは良くありません……同じ大きさで触れ合える、というのはとても良いものですね……。
      (……おっきい身体なんて、不都合しかありません。くすん)

      羨ましさを感じつつ、そもそも私のことでもある不思議な感覚。

      今まで一度だってあり得なかった、知的生命体との敵対意識のない、唯の身体接触。
      危険性など一つもなく、只々、興味のままに触れているだけの時間。

      柔らかく、白い手の先。英霊の私と比較しても、小さい身体。
      それに反して、とても強い意志を感じる焦げ茶色の瞳。長い睫毛。

      私とは、異なるもの(人間)。

      ——偶に、目つきが怪しくなるところは、ちょっと悪いところだと思いますけれど。

      いつまでも無限に続く訳ではない、限られた時間だからこそ、なのでしょうね。
      とても大切で、とても……楽しい。

      それを正直に思う私(巨神)と、危険性を優先し、嫌ではないがまず戦闘区域で行うべき行動ではない、と思う私(英霊)では反応に違いがでてしまうのでしょう。
      ……自己分析してもあまり意味はありませんね。これは消去消去、です。

      かつて草原を駆けた私(英霊)も、戦い、征服していくことが求められたが故にこういった事とはほとほと縁がありませんでしたから、戸惑いも仕方がないように思います。
      ええ、私(巨神)ならもっと、れ、冷静に対応できますとも。

      でも、感じ方や考え方が異なるとしても、根底にあるのは一緒だと思えています。

      『——この人と、こうしていられるのは嬉しい』

      壊すことが基本行動、産まれた意義だったとしても。
      今このとき、この行動には楽しみを感じることができています。

      ずっとよろしくお願いしますね、我が虜。

      ——でも、だからといってなんでもして良いわけでは、ありませんよ!

  • 16 ジルのマスター 2017-04-26 07:13:54 oLkMKIgxDYh0YwX

    ああ〜 巨神アルテラも英霊とは別ベクトルで可愛いですね……早く実装して欲しいなぁ…
    今回も執筆ごくろうさまです!…アルテラのような少し影のあるキャラは書きづらいかもしれませんが、頑張ってください!

    あとここからは報告………このssのお陰でレベルマ終わりました(о´∀`о)b ありがとうございます!

    • 17 shiki 2017-04-26 14:37:16 9k7IWzH4KjDyRd1

      >>16

      感想ありがとうございます。アルテラ可愛いですからね!
      少しでもアルテラの知名度貢献に携われれば光栄です

      レベルマおめでとうございます!存分に愛でてあげてくださいね!

  • 18 shiki 2017-04-26 18:19:14 dXhmHmXS98cflGri

    ある日のジャンヌとアルテラ、ザビ子
    2700字くらいです。いつもよりはすこし長いとはいえ、短くてすみません。

    • 19 shiki 2017-04-26 18:20:18 dXhmHmXS98cflGri

      >>18

      「さて、この区域も制圧完了したな」

      ——凄い。
      横で平然とした態度を崩さないアルテラを見てそう思う。

      縦横無尽に駆け巡り、数多の敵を分けて隔てなく破壊する。
      否、敵だけではない。彼女の剣は文字通り『破壊の為の剣』。そこにはありとあらゆる文明を破壊する特性が含まれている。

      その一撃は文明に対して特攻を持つもの。
      創造されたあらゆる武器、防具、建物を問わずして破壊できる軍神の一撃。

      彼女は、当然のように全てのエネミーを破壊し尽くした。
      これでとうとう、私たちが制圧した区域は全体の90%を超えることになった。

      「……どうした? 私が敵を砕く姿に怯えでもしたか? 人類であれば、いや生命であれば当然の感情だが」

      いいえ、違います。正確には恐れ、怯えとは異なります。
      驚愕し、驚嘆したのは事実ですが、私はアルテラが対話できる人だと知っています。

      「————。そうか」

      少しだけ、その冷静な表情が揺れ動きました。
      驚いたような、安心したような。

      私は、他の岸波白野とは異なります。
      私が共にあり、側にいると決めたのはアルテラ、貴女です。
      何度でも伝えましょう。貴女が納得してくれるまで、信じてくれるまで。

      だって私は、貴女が普通の女の子であると知りました。

      貴女が嘗て駆けた草原に想いを馳せ、『夢のようなもの』と評したその時間を大切に思っていることを知りました。
      だから、絶対に貴女を忌憚することはありません。信じてください。

      「……そうだったな。今は、そう思える」

      微かに笑みを浮かべて答えるアルテラ。

      「お前は、我が虜だ。誰にも渡す気は、ない。それが狐耳のキャスターであろうと、赤いローマの皇帝であろうと。……それが、例え何者であろうとも」

      はい。私も、貴女のそばを離れません。
      私は貴女のマスターです。この行為がムーンセルに、いいえ、全人類に対しての裏切り行為であると知っていても。それでも私は貴女を選びましたから。


      ところで気になっていたのですが、
      アルテラはこの制圧区域を、彼女たちのように作り変えたりはしないのですか?

      「あのローマや日本の京を模した領域のように、か? 別段不要だろう」

      「そうですか? 私は貴女がどういった区域を望むのか、気になっていたのですが」

      そう言って近づいてきた、ジャンヌ・ダルク。
      救国の聖女、アルテラに敗北し、軍門に下った……という形で協力体制になったサーヴァント。

      実際には、そういうことではないと思う。
      ジャンヌ・ダルクはその心を絶対に折られない、砕けない。
      彼女が今協力してくれているのは、アルテラという英霊の望みを、その在り方をみて只の破壊神ではないと判断したから。

      そういう意味では、確かに気になっているのでしょう。

      「私が行うのは文明の破壊、侵略、制圧だ。その後に何かを創造することなど……」

      「していないだけ、でしょう? 現に、横にいるマスターには服を用意したり食事を用意したりしているではありませんか。貴女には創造ができないわけではない。分かっていて惚けるとは思いませんでしたが」

      「……相変わらず聡いものだ。聖女、というのは余程口を聞くのが好きらしい」

      「ええ、当然です。なんと言っても、私は英雄王にすら口答えをする女ですからね。それで、実際にはどういった区域、風景が好きなのですか?」

      「好き、というか……そうだな。宝に囲まれて眠ることは好んでいた。それは制圧の証、照明に他ならないからな。あとは……この場所のようにゴチャゴチャとした場所は好まない。鬱陶しいだけだ」

      「ふむ……なるほど。宝に囲まれる、というのは少し意外な気がしましたが。そうであるなら、ここ一帯を貴女の望むように変更しては?」

      「不要だ。そのリソースがあるなら次の区域を制圧する為の配下(エネミー)を作った方が効率が良い。そんな区域を持っていたところで、私には持て余すだけだろう」

      「では、貴女は?」

      そう言って私に水を向けるジャンヌ・ダルク。
      む、私ですか。

      「……何か、望んだ場所でもあるのか?」

      アルテラもこちらに向き直り、そう聞いてきました。

      そう言われても困りました……
      実際、閉じ込められるように未明領域に囲われているわけですが、それといって別段外にでてアレがしたい、といった欲求があるわけでもありません。

      あ、でも少しだけ欲しいものがあるというか。

      「言ってみろ。お前には普段から世話になっているところがある。叶えてやらなくもない」

      口調は荒いですが、照れているのは分かりますよ、アルテラ?
      と、口に出しては怒られてしまいますので内心で呟きます。

      アルテラとみんなと。ショッピングモールに行きたいな、と思い立ちました。
      そう口にします。

      「ショッピングモール?何か欲しいものがあるのなら具体的に言えば作ってやれるが」

      そうではないのです、アルテラ。
      ジャンヌも、アルテラも、イスカンダルやギルガメッシュも合わせて、物を買うために歩く、という行為そのものに興味が湧いたと言いますか。

      「ああ、それは楽しそうですね」

      話を合わせてくれるジャンヌ。思わず目を向けると、可愛らしくウィンクをされました。
      人の気持ちを大切にしてくれる人ですね、本当に。

      「ふむ……だが、あの者たちがそう付いてくるか? 私が言ってはなんだが、欲しいならば奪うような者たちばかりだ」

      う。
      そう言われるとその通り——

      「だが、良いだろう。偶にはそういう事も悪くはない」

      え——!
      良いんですか、アルテラ!
      予想外の肯定に急接近して手を握りつつ確認します。

      「あ、慌てるな! あくまで作ってみるだけだ。あの者たちが素直に付いてくるとも思えんし、無駄になる可能性だって高い。そもそも私にはあまりそういった興味が——」

      「慌てているのは貴女も同じように見えますよアルテラ。でも楽しみですね、私も期待させていただきますから、頑張ってくださいね」

      「お前は……! 全く、これが配下の態度なのか……」

      そうボヤきつつも、認めてくれたようです。
      これは楽しみができました!
      アルテラはこう、色々と着せ替えてみたいというか、色々なものに触れて欲しいという思いがありますから、こういう機会ができるのはとても有意義に思えます。

      「良かったですね、マスターさん?」

      ジャンヌ、ありがとう!
      貴女が話を合わせてくれたおかげです!
      なんて大声で言うのも憚られますので、こちらから小さく頭を下げます。
      もっとも、表情まで冷静になれている自信はありませんが。

      「では、今度皆で買い物ですね。服や小物、食べ物に乗り物。色々と面白そうです」

      はい!
      絶対に行きましょうね、ジャンヌ、アルテラ!

      「ああ、わかった。わかったから——」

  • 20 ジルのマスター 2017-04-27 08:26:21 t0qx2xshrFFb6Z

    アルテラはツンデレ……マスターには分かるんだねぇ(微笑)
    それにしてもサーヴァントとショッピングか……俺もしてみたいな〜
    こうアルテラには……ショッピングのふとした隙にアルテラが目を止めてたぬいぐるみとかを買って帰路につく頃にでもプレゼントしたい……そう思わない?

    • 21 shiki 2017-04-27 08:39:01 i8gDp1o3TPxDj9

      >>20

      さいこーですね……!
      いつもお読みいただきありがとうございます。
      感想、とても嬉しいものですからね。

      感想や批評や改善点等いつも募集中ですので、もし宜しければ皆様よろしくお願いいたします

  • 22 shiki 2017-04-27 18:24:08 4KU8IpEQdcGqct8q

    [忠告]:
    今回のお話はエクステラの重大なネタバレを多分に含み、未明編と金詩編、ジャンヌEDやアルキメデスED、アルトリアEDを合わせた感じのものです。表現には当然似たようなものがあります。

    • 23 shiki 2017-04-27 18:25:36 4KU8IpEQdcGqct8q

      >>22

      ——お力にはなれませんでしたね、岸波白野。ごめんなさい。
      そういって、かつて共に笑いあったジャンヌ・ダルクは目の前で消えていった。

      謝罪はこちらではないですか、ジャンヌ・・・!
      私が、アルテラのマスターだったのに。
      そばにいた私が、何よりも不甲斐なかったから。

      あのアルキメデスに、出し抜かれてしまったから。

      そして。
      ——戦うしか、無くなってしまったのですね。
      とても澄んだ、凛とした声。
      そう言って、かつて言葉を交わした聖剣使いが現れました。

      彼女は、その手にある何よりも有名な剣を大上段に構えます。

      やめて、と思わず声を漏らした。

      だって、アルテラは悪くない。
      アルキメデスによって、強制的に遊星の使者として覚醒してしまっただけなのに。

      私にだってわかっています。
      英霊アルトリアがどれだけの力を持っているのかも、その聖剣がアルテラにとっての唯一といっていい弱点足りえる武器であることも、それを十全に扱える今の貴女がアルテラを倒せてしまうことも・・・!

      ——貴女には同情します。ですが私は、この時の為に呼ばれたもの。どれだけの相手であろうとも、私は必ず勝利し、打倒する。これが根本的解決にはつながらないと解っていても。
      それでも私は、これを打ち倒す。・・・せめてもの情けです。
      この一撃で打倒する・・・!約束されたーー勝利の剣!!!


      ああ、あああああ・・・・・・!

      既に言葉を交わしあう時間は終わってしまいました。
      それと時同じくして、結果は否が応にも訪れます。
      聖剣は振り下ろされ、私の愛した、大切な彼女は今、目の前で崩れ落ちていく。

      もう私のことも見えていなかった、アルテラ。
      何度制止の声をかけても、令呪を使っても、レガリアを持って呼びかけても。
      なにをしても答えてはくれませんでしたが、
      それでも、私を直接破壊しようとは、決してしなかったのに。

      聖剣は私には直接あたりませんでしたが、それは関係がありません。
      触れるものすべてを破壊せしもの。大いなる巨神。
      その肩に居続けた私も、すでに体が崩壊を始めています。

      (これはいや、嫌なんです)
      これはもう、打つ手の無くなった閉じた道。

      (こんな終わり方では、諦められません)
      既に結果は出てしまいました。アルテラは倒され、私ももう、数秒と保たず消失する。あまりにも、解りきっていた結末でした。

      (まだ、いっぱい話したいことがあったのに)
      アルキメデスは、アルトリアが現れた時点で敗北を悟り、スライドしていきました。

      (ショッピングモール、行こうねって約束だってしたはずなのに)
      崩れゆく身体。空いた空洞から、光をはなつ大いなる巨神。徐々に欠けてゆく、その姿。
      美しかった体は見る影もなく。鈴の音のようなきれいな声は、もう、聞こえない。

      (何か打つ手はないのでしょうか。なにか、なにか、なにか————)
      全力で思案する。頬伝う涙など気に止めていられません。いま必要なのは、悲しみにくれるような時間ではない、この現状をも打破できる可能性です。

      (これではダメでした。現状において、アルキメデスはどうあっても出し抜けない。アルテラに対して絶対的な命令権も有している。アルキメデスが遊星に与した以上、この結論は変えられない。でも、どうして、どうやって?)

      これで終わり。こうして、月には平穏が訪れる。
      ムーンセルは賭けに勝った、ということでしょう。
      ムーンセルは一時的に救われました。遊星の化身たるアルテラが消失するがゆえに。

      (遊星の情報を有し、その命令権を保持した。アルキメデスはどうやって———)
      そうです、情報源がどこかにあったからこそ、アルキメデスは遊星の命令権を得ることができたはず。

      レガリア。月における聖杯、ムーンセルを完全掌握できる指輪。
      他の岸波白野たちを打ち倒し、完全に統合されたレガリア、これをもってサーチを開始。
      完全に私が消失するまで、あと13秒。

      (遊星の情報はアルテラ周辺にしかあり得ない。つまりは、あの閉鎖空間、未明領域以外には存在するはずがない。それ以外をサーチ範囲から除外します)

      ——見つけた!
      かつて14000年前にムーンセルに遊星が訪れた、アルテラをのせた星の船。
      その核に、最も初めに近づいたのが、アルキメデスだった————!

      今の私では、もう時間がない。消失まであと6秒。

      過去にさえ、戻れるなら。
      でも、私を過去に戻すことなどレガリアとムーンセルを持ってしても不可能です。

      だからせめて、アルキメデスと合流する前の私に、この事実だけを伝えてみせる。
      この結末すべてなど必要ありません。きっと私ならわかるはず。
      この事実、たった2行のテキストデータだけあれば、絶対にわかります。
      私がたどった全ての記録など必要ありません。この事実だけを、過去の「私」に伝えてみせる!

      他のどんな岸波白野ではなく。なんとしても、この私が。
      何よりもこの草原の少女を愛おしく思う、肉体にやどったこの私が。

      ——絶対に、アルテラを救って見せる!

      完全なるレガリアが一際光り輝いた後、その場にはもう、何も残ってはいなかった。



























      嘘予告といいますか。
      きっと続き全てを書くのは難しいだろうな、とか。そんな感じのものです。

      エクステラを全てみたあらゆる人が思うであろう理想というか私が見たい理想というか。
      え、独自展開満載、ですか? そうです!

  • 24 shiki 2017-06-14 12:47:56 oXAfw1E24F9F6TN5

    文字数2000程度です。超久しぶりの更新になりますので、お楽しみいただければ幸いです。
    巨神さんではなくそのアバター、英霊アルテラさん側です。

    • 25 shiki 2017-06-14 12:48:27 oXAfw1E24F9F6TN5

      >>24

      英霊アルテラと野営

      ここは未明領域周辺、レガリアによって新たに発見された区域。
      別たれたレガリアは万能の願望機たるムーンセル・オートマトンを完全に使用することができません。
      そのためか、この区域の探索に関して、とても大きな問題が持ち上がったのです。

      「——まさか、レガリアによる拠点への空間転移が拒絶されるとはな」

      これでした。
      己が支配領域に関しては空間転移による移動が可能ではありましたが、
      この領域では「元々未明領域であるにもかかわらず」支配権が持てていない扱いなのか、
      空間転移を行うことができなかったのでした。

      「しかしこのままいけばお前にかかる負担も大きい。無理に今、支配を行う必要もあるまい。……お前を危険に晒すのは、良くないことだ」

      でも、アルテラなら私を守ってくれますよね?

      「守る守らないの話ではない! 危険がある時点でそれは問題なんだ!」

      う、返す言葉もありません。

      アルテラの言っていることは正論で、普段であれば反論する必要もありません。
      ただ、前々から少し、やって見たかったこともありまして……

      「————一応、聞いてやる。 何に興味があったのだ」

      そ、添い寝……です。
      巨神アルテラとは幾度か添い寝?をさせてもらいました。
      でも、英霊アルテラとは普段戦闘を行うことが主体であることもあり、
      触れ合う時間が少なくて……少々物足りないと言いますか。

      「——!! だ、誰がお前と添い寝するというんだ! 大体、わざわざこんな場所でしてやる必要などあるまい! 拠点にさえ戻れば巨神(わたし)が幾らでも応えてやるだろう……!」

      それは嬉しいのです。
      嬉しいし、幸せだと感じることができます。

      ただ、私はどうしても、英霊(あなた)と添い寝がしたいと言いますか……
      今のようにレガリアの指輪の中にいることも、なんだか全身触れ合っているような感覚である為、それなりに幸せではあるのです。そこに不満は一切ありません。

      そうではなく、こう、一緒に寝るという行為にとても興味が惹かれるといいますか。
      それが貴女とであれば、私はとても幸せを感じられると思うのです……!!

      英霊アルテラは拠点へ戻った際、そのままいつも本体へと戻ってしまいます。
      経験や知識等も共有しているわけですから、それはそれで良いことでもあるのですが……
      ど、どうしても叶いませんか……?

      「——これを叶えると、なんだか……(私の方が、虜になっているようではないか)」

      俯きつつ何かを呟くアルテラ。
      後半の声が小さかった為に聞き取れませんでしたが、嫌ではないよう……ですよね?

      では、どうにか!
      どうにか一緒に添い寝してください、アルテラ!

      「なんでこう、変なところで意固地な所を発揮するんだ、我が虜……!」

      そこはその、どうしても……

      「——いいか、今回だけ、だからな」

      ——!!!
      ありがとうございます、アルテラ!

      既にお顔が紅潮していて、なんだかとっても恥ずかしいお願いをしてしまったような気がしますけれども。
      強いていうなら私も恥ずかしいので、お相子と言いますか。

      「では、こちらに来い、我が虜。幸いにしてこの辺りは制圧が済んだこともあり、私たちの軍勢が周囲を巡回、警備している。まして草原エリアというのか、寝るにはそこまで不自由するまい」

      改めて周囲を見渡すと、一面の優美さに目が思わず惹かれてしまいます。
      電子虚構世界であるとは思えぬほど、この辺りは力強さを感じる草木が生い茂っています。

      そのまま横にいるアルテラを見ると、目を少し細め、同じように辺りを見渡していました。

      痩身、というような表現ではなく、不健康さを感じさせることのない優美な身体。
      全身に渡って刻まれている、白い紋様。
      すらりとして、凛とした顔立ち。
      吸い込まれそうになる、赤く光る綺麗な瞳。

      「……用がないなら、そ、そんなに見つめるな、愚か者め」

      とても照れた様子で注意されてしまい、思わず反省します。

      (あまりにも、美しかったので見惚れてしまったのです、とは言えませんね……わ、私にも羞恥心があったりしますから)

      「では、ここで一時休眠を取るぞ、我が虜。こちらに」

      そう言って頭に被さったヴェールをとり、寝転がるアルテラ。
      腕を横に伸ばし、こちらに、と示されたということは……

      「早くしろ、いくらセラフとはいえ地べたに直接頭を置く必要はない。私の腕に頭を乗せろ。多少なりともマシだろう」

      あう、そ、そうですよね……!
      あくまでこちらを気遣ってのこと。これを断っては相手の好意を無下に扱うに等しい。
      つまるところ、有り難く……。

      ふに、という感覚が一番近いでしょうか。
      そっと頭を乗せると、少しだけ反発があるのですが……

      え、向かい合うんですか!?

      「いいから……はやく寝るといい。敵襲などもしあっても、お前に気づかせもせず殲滅してやる。ただ、あくまで完全に支配しきれていない区域で眠るのだ。こうしてお前を寄せておかねば……」

      既に眠りにつく気でいるようですね……アルテラ!
      こちらは先程からドギマギしているというのにっ、と理不尽な感情を持て余しつつくっつきます。
      自分の顔が赤くなるのを自覚します。
      でも、こうして触れ合うことが幸せでたまりません。

      すると、アルテラのもう片方の手が頭の後ろに回されました。
      ゆっくりと、髪をすかすように撫でてくれています。

      「眠りにつくまでは、こうして撫でておいてやる。もう休め。……また、明日だ」

      ふわり、とした柔らかい笑みでした。

      そうですね、お休みなさい。
      また、あした——。

  • 26 ジルのマスター 2017-06-16 00:38:34 JmwvFCv0TYFkj7e5

    ああ……いい…(語彙力死滅)

    久々に執筆おつかれさまです! やはりツンデレは至高ですね
    ……俺も添い寝とかしてみたいな……え、男だから無理だって? 是非もないよネ!

    次回も楽しみにしてますね♪

    • 29 shiki 2017-07-09 18:37:04 u58I5ov2FeD7Iwm

      >>26

      (今更ですが)
      FGOアルテラさんにして貰えばいいと思います……!

  • 27 shiki 2017-07-09 18:35:22 u58I5ov2FeD7Iwm

    今回はちょっと長めで2600文字くらいです。
    お楽しみ頂ければ幸いです。(最近巨神さん出てこなくてごめんなさい……!)

    • 28 shiki 2017-07-09 18:35:57 u58I5ov2FeD7Iwm

      >>27

      ——暑い、です。
      今の私は暑すぎて死んでしまいそうに暑いです……!!

      「我が虜……そもそも外に出たいと言ったのはお前だったと思ったが」

      その通りでございます……
      でも、暑くありませんか……これでは溶けてしまいます……スライムのように!

      「人が熱で溶解するような気温であるものか。もしそうなら外に出す許可など出さん。……そもそも、いうほど暑いだろうか?」

      アルテラは天性の肉体持ちですし、体温調節も得意なのでしょうか……
      もしくは草原を駆けていた時代ですし、あまり感じないのでしょうか。

      むむむ、いっそ引っ付いて暑さを移してやりましょうか……!
      いけません、思考がどう考えても鈍っています。
      熱が移るどころか増すことは間違いありませんね、二重の意味で。

      「あら、珍しくマスターさんが外に出ているかと思えば……随分と消耗した様子ですね、大丈夫ですか?」

      あああジャンヌさん……!
      白いその見た目だけでも癒されます……なんだか涼しげでは……。

      「ええ? これは鎧も含んでいるので、今のマスターの礼装よりは暑いかと思いますけど……なるほど、問題は外気温でしたか。苦手であるなら指輪の中に戻って、室内エリア等で外に出たら良いかと思うのですが」

      またまた正論……でもこう、可能な限りはこうして外にでてお話していたいと言いますか、しかして暑い状態が好ましい訳でもないと言いますか。

      「ふふ、最近は元気になってこられましたね。少し安心いたしました」

      えっと、絶賛夏バテというか暑さで溶けそうなのですが……?

      「つまるところ、『小さな不平不満を言える』状態になってきている、ということが言いたくて。初めて貴女を見たときには、精一杯の気力を張って、片時も油断ならない、といったご様子に見えていたものですから」

      そういった小さな文句を隠さず言える様をみて、安心したのです、と告げるジャンヌ。
      くす、と笑いながら、とても嬉しそうに言われたことでこちらも思わず二の句が出てきません。

      な、なんだか無性に恥ずかしくなってきました……!

      「ああ、別段貴女を辱める目的など無いんですよ? お顔がとても赤くなっていますが……」

      言わなくて良いですー!理解していますー!
      現在進行形でとても顔に熱が集まっていて燃えてしまいそうです!

      「……随分と楽しそうだな。話しをして気が紛れるのならそうしておくと良い。私は少しばかり席を外してやろう」

      「もう、拗ねる必要などないでしょうアルテラ。貴女が側に居ずにどうするのです、貴女の側にいるからこそ、彼女も気軽に振舞えているのですから」

      「だれが拗ねるのか誰が——!」

      あ、アルテラの顔も真っ赤です。
      ちなみに私もまだ真っ赤なのは間違いなく、これはある種のお揃いですね、と内心。

      「しかし最近の気温が高いのは事実ですね。一部エリアは水もありますし、そちらにでも行ってみるのはどうでしょうか。少しは涼めると思いますよ?」

      「む、水浴びか? 確かにアレは良いものだな。戦闘し辛いのは問題だが、それはほとんど全てのサーヴァントにもいえることだろう。一考に値するな……」

      「ええと、まぁ水浴びでも良いですし、泳いだり水辺で遊ぶのも良いと思うんですけど……」

      「遊び……? よく分からんが、水辺で行うのは水浴びではないのか。我が虜、お前の希望は?」

      水遊びですか……。
      泳ぎが別段得意、という訳ではないものの、水辺で遊べるのはとても気持ち良さそうですね!
      暑くてたまりませんし、一緒に皆で行きましょうアルテラ!

      「ではまず水着の用意からですね、アルテラ。お任せしても?」

      「待て、私はそういった装いに関しての良し悪しは……。少なくとも自分が動きやすいか否か、といった類しか分からない。お前の希望があるなら作成はしてやるから言うがいい」

      「ふむ……私も特別希望がある訳ではないのですが。強いて言うなら露出量は控えめであってほしい位で」

      「色の希望は?」

      「口頭で伝えるのは難しいですね……アルテラ、レガリアを使って幾つか水着を用意して貰えますか? 知識だってムーンセルに保存されているでしょうし、ある程度出してみて、それを選ぶのがいいかと思います」

      私もそれに賛成です、と加えて発言。
      選んでいる時間もそれはそれで楽しいですし、お願いしますっ!

      「着るものに随分と拘るのだな……まあ別段私も異論はない。確かにただの布地を巻きつけるよりは綺麗な装いの方が好ましい。では10種類ほどまず出してみるか」

      ここは私も助力しますね、アルテラ。
      ——ムーンセルに接続、水着のレパートリーを検索、と。
      ——上下が一体となるタイプ、別れているタイプ……腰にパレオを纏うタイプ、フリルが多めに意匠されているタイプ……え、これ紐……!?とりあえず表示して、次……

      大体10種類ほどになったでしょうか。
      こう、気分が高揚してくるのは私も女性であるからには仕方ないところですね。
      ズラーッと横に並べて、と……。
      横をみると、アルテラも10種類ほど展開していたようです。

      「おお、ありがとうございます、マスターさ……え、紐!?」

      「我が虜、ご苦労だ……な、紐!?」

      これはお前の趣味か、とばかりに鋭い目線でこちらを睨むアルテラ。
      心なしか手で胸元を隠し、距離までとっているようです……!

      え、待ってください!私も混乱して思わず表示してしまったようで……決して趣味な訳では!
      というかこんなものどう考えてもアウトですアウト!

      改めて見てみると、布地部分が殆どありません。
      大事な部分を辛うじて隠せるだけ、といった様子の水着……
      『あかいいなずま』とかいうこの名前、なんだか覚えがあるような無いような。

      これで水遊びなど、どういった類の遊びなのかわかりません!
      そもそもこれで運動などしたらズレてしまうのでは……!!

      「一々口に出さなくていい! 言わずともわかる! 幾ら何でもこんな水着は着ないぞ私は!」

      「こ、これはそもそも水着なのでしょうか……? 殿方の中にはこれを好む方もいる、ということなのですかね。流石に私も遠慮したいです……」

      え、ジャンヌが紐……?
      思わず少し想像してしまいましたが、これは……緩く止めては解ける心配があり、キツく閉めるとそれはそれで圧迫されて大変なことに……!

      ブンブンと頭を振り、いらぬ煩悩を吹き飛ばします。

      他!他の水着から選びましょう?
      それがお互いのためになりそうです、ね、ジャンヌ、アルテラ。

      皆一様に顔が赤いものの、そのまま他の水着を選ぶためにそれぞれを手に取り……。
      どんな水着を選んだのかは、また別のお話。

  • 30 ドロー代理:本の悪魔(CV:ジョージ) 2017-07-10 12:56:18 FxLA7QuHRiMh9xp


    微笑ましいな

    • 31 shiki 2017-07-11 23:49:58 fyTCXBplPGOto3

      >>30

      感想ありがとうございます
      お楽しみ頂ければ幸いです♪
      批評も受け付けてますのでー

  • 32 はなの魔術師 2017-07-12 08:11:25 iRr2ncKPPfWqvDI

    執筆お疲れ様です。
    水着か……タイムリーな話題になりましたね…
    しかし女の子三人が水着の話題で盛り上がるのは…年頃なんだなと思ってとても微笑ましい物ですね

    さて、ここで千里眼を使っても良いのだが楽しみは後にとっておかないとね……次回の投稿も楽しみにしてます!

    • 33 shiki 2017-07-12 21:32:42 O5u1PX0oCAO0eNz

      >>32

      感想ありがとうございますー
      千里眼……流石マーリンさん……!
      透かし過ぎたらアウトですよ!

      • 34 はなの魔術師 2017-07-13 00:04:32 iRr2ncKPPfWqvDI

        >>33

        そうだね……やり過ぎると最悪爆ぜさせられそうだからね
        せめてどんな水着かだけでも…

        • 37 shiki 2017-07-13 13:31:37 RzblyGDYj38s1MWt

          >>34

          千里眼は当たっていましたでしょうか?
          残りはまた後日になりますが、お楽しみくださいますよう。

  • 35 shiki 2017-07-13 13:29:54 RzblyGDYj38s1MWt

    今回は1200文字くらいです。超短いのはご了承ください。
    水着編スタートの前に、幕間といいますか。巨神さん分補給にどうぞ。

    • 36 shiki 2017-07-13 13:30:27 RzblyGDYj38s1MWt

      >>35

      さて、私が選んだ水着、ですが……

      ビキニタイプで色は全体が深めの青色、白色の細い模様が入っています。
      胸元から胸下まで、長めのフリルを下ろしたような見た目になっていて、なんだか捲れそうですが、ちゃんと下には布地がありますからね!

      おへそを出すのは少しばかり恥ずかしいものではありますが、
      偶にはこういう衣装も良いものです。

      下は白色のビキニ、こちらは細かい意匠は特になく、横に上と似た色のリボンがあるくらいでしょうか。
      アルテラやジャンヌに選んでもらうのも一案でしたが、少し気恥ずかしいのもあって今回は自分で選ぶことにしました。

      皆衣装を手に取った後、そのまま一時拠点へと帰還。
      各自着替えたのち現地集合、ということにはなったのですが……

      いざお着替えを、と思い石室に戻って気がつきました……!
      これ、もしかしなくても

      「我が虜、衣装替えですか? 必要であればお手伝い致しますが……直接手で、というのは難しくとも、色々と手段ならありますよ?」

      巨神アルテラ——!
      わ、忘れてなどいませんでした。当然ながら。
      ただ、この中だとそもそも着替える場所がないことを失念してしまっていたのです……!!

      「…………じー」

      こんな状態で着替えられる訳ありません!

      そういえば、一番最初に出会った時も、片時離れずに見つめ続けられていたのでした……
      あの時は、起きている時眠っている時問わず、1週間くらいだったでしょうか。
      根比べなど到底している時間も余裕もありません。

      いいえ、私が過度に気にし過ぎているのでしょうか……
      今までには纏っている魔術礼装自体は目の前で着替えたこともありましたし、
      強制的に衣装変更の憂いにあったことも……いえソンナコトハナカッタ。

      あ、あのー、アルテラさん。
      さ、流石に見つめ続けられると衣装が変えられないのですが……?

      「へ? あ、そ、そうですね! い、いま気づきましたごめんなさい! 人間の風習においては見るべきではありませんでしたね!」

      ほ、ほんとですか……?
      英霊アルテラとて、衣装替えのときに周囲の人払いくらいしていたと思いますが……。

      「ほ、本当です。嘘なんてつきません! ちょーっとばかり知的好奇心が内部に発生した故、このまま見続けても、とか、あわよくばお手伝いして、などとは思っていません!」

      じとー、と見つめつつ、バスタオルなどを用意してもらう事に。

      冷や汗を流しつつ、巨神アルテラは私サイズの衣装替え室を作ってくれました。
      中で着替えを実施して、改めてフォームチェンジ、です!

      「とても可愛らしいですね、我が虜。このまま外に出さず囲ってしまいたいくらいです……♪」

      戻って来たら、また色々お話したりしますから。
      今回はこのまま、戻りを待っていて頂けますか、アルテラ?

      「はい。冗談ですから、ご心配は要りません。英霊(私)とジャンヌ・ダルクと行かれるのでしたら心配もないでしょう。存分に英気を養って来てくださいね」

      いってきます、アルテラ——。

  • 38 はなの魔術師 2017-07-13 19:17:24 iRr2ncKPPfWqvDI

    今回も執筆お疲れ様です 久々の巨神アルテラくん回だ〜
    外でアルテラくんと水遊びができ中で巨神アルテラくんとお話をするのは地味に完璧な布陣じゃないか…

  • 39 アルタイル(CV:豊崎愛生) 2017-07-14 01:35:53 4lq6moCGT0EZFXEr


    執筆お疲れ様だ。微笑ましいぞ

  • 40 shiki 2017-08-02 13:21:33 wHvca1wTil3RIEk

    ひっそり。
    大変申し訳ないのですが、リアル都合等々あって、継続は困難になりそうなのです。
    よって、今後の更新については期待をなさらないでくださいまし。

    期待をしてくださっていた方がいらっしゃったらごめんなさい。

    ここふぇいますでSSを書くことで、色々と文章を書く練習にもなりました。
    いずれ時間が取れたら、どこか笛吹きにでもSS投稿することもあるでしょう。
    ではまた。

  • 41 名無し 2018-10-16 21:05:43 Np62iAyNDer37l

    Age

    • 43 名無し 2018-10-25 20:30:14 kqRcq7z1e6KeWPCR

      >>41

      ageますね

      • 45 名無し 2018-10-26 18:42:21 6FubP45PH78bUL

        >>43

        ageさせて頂きます

        • 46 名無し 2018-10-27 02:17:07 6FubP45PH78bUL

          >>45

          ageますね

  • 42 名無し 2018-10-16 21:22:27 6KI9cWtpA4yktpr

    ageます

  • 44 名無し 2018-10-25 23:15:02 kqRcq7z1e6KeWPCR

    ageますね

    • 49 名無し 2018-10-27 15:59:58 6FubP45PH78bUL

      >>44

      ageますね...

    • 47 名無し 2018-10-27 13:46:59 6FubP45PH78bUL

      >>44

      ageます...

      • 48 名無し 2018-10-27 13:47:41 6FubP45PH78bUL

        >>47

        失敗しました。すいません...

        • 50 名無し 2018-10-27 16:21:07 6FubP45PH78bUL

          >>48

          age

          • 52 名無し 2018-10-28 01:50:35 6FubP45PH78bUL

            >>50

            ageますね...

            • 54 名無し 2018-10-29 10:51:42 6FubP45PH78bUL

              >>52

              ageます...

              • 60 名無し 2018-11-02 02:17:52 y34takbsnWlx2E0W

                >>54

                age

                • 61 名無し 2018-11-02 18:48:50 y34takbsnWlx2E0W

                  >>60

                  age

                  • 70 名無し 2018-11-12 19:49:14 iS0xU0wKwtmmQG5

                    >>61

                    ageますね

  • 51 名無し 2018-10-27 17:14:05 6FubP45PH78bUL

    ageさせて頂きます

    • 53 名無し 2018-10-29 01:42:32 6FubP45PH78bUL

      >>51

      age

      • 55 名無し 2018-10-29 21:09:04 6FubP45PH78bUL

        >>53

        ageますね...

  • 56 名無し 2018-10-29 22:21:44 6FubP45PH78bUL

    age

    • 57 名無し 2018-10-31 00:07:33 QTNlRcVDoH4mLsX

      >>56

      age

      • 58 名無し 2018-10-31 21:29:12 y34takbsnWlx2E0W

        >>57

        age

        • 59 名無し 2018-10-31 23:33:59 y34takbsnWlx2E0W

          >>58

          age

          • 63 名無し 2018-11-06 19:41:46 kqRcq7z1e6KeWPCR

            >>59

            age

            • 64 名無し 2018-11-09 02:19:27 kqRcq7z1e6KeWPCR

              >>63

              age

              • 66 名無し 2018-11-10 03:00:17 iS0xU0wKwtmmQG5

                >>64

                age

                • 69 名無し 2018-11-11 02:02:51 iS0xU0wKwtmmQG5

                  >>66

                  ageます

                  • 71 名無し 2018-11-12 23:33:51 iS0xU0wKwtmmQG5

                    >>69

                    age

                    • 73 名無し 2018-11-14 02:10:43 iS0xU0wKwtmmQG5

                      >>71

                      age

  • 62 名無し 2018-11-03 00:08:52 y34takbsnWlx2E0W

    age

  • 65 名無し 2018-11-10 02:07:51 Np62iAyNDer37l

    Age

  • 67 名無し 2018-11-10 13:49:50 Np62iAyNDer37l

    Age

    • 68 名無し 2018-11-10 21:36:55 Np62iAyNDer37l

      >>67

      Age

  • 72 名無し 2018-11-14 02:08:36 iS0xU0wKwtmmQG5

    age

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