英知激突都市梅田 【SS】

英知激突都市梅田 【SS】
  • 1 彦星七 2017-03-26 21:01:38 7sB927hDarEvPHqp

    FGOの新宿編が最高で、それに感化されましたので、オリジナルの小説を書いてみます!
    ゲームでは新宿だったので、大阪梅田を中心としたストーリーにします!
    拙い文章で、わかりづらいところもあるかとも思いますが、温かい目で見守ってください。
    なおオリジナルサーヴァント等も登場させますので、そういうのが苦手・お嫌いな方はご容赦願います。

    ・新宿編の後の話ですが、新宿編のネタバレをするつもりはありません。(ただし少し似るところもあるかと思いますが、ご了承ください。)
    ・主人公はぐだ男です。
    ・オリジナルサーヴァントの真名等はご考察いただいて構わないのですが、それについて正誤をお答えすることはありません。ストーリーで明らかにしていきます。


    なお、これはFGO板で作っていました作品ですが、SS板を作っていただきましたので、こちらに移したものになります。

  • 2 彦星七 2017-03-26 21:03:31 7sB927hDarEvPHqp

    「えぇえ⁉︎今度は梅田⁈」
    新宿からの帰還後すぐに、ダ・ヴィンチちゃんから次のミッションを告げられた。
    「いや、そんなに頭を抱えなくてもいい!新宿みたいに大きな問題には思えない。この前の贋作英霊のときみたいなレベルだろう。」
    「それめんどくさいやつじゃん...」
    ダ・ヴィンチちゃんは気楽そうに言うが、俺には話だけで気苦労しか感じられなかった。
    「でもこのような状況だ。些細なことでも放っておいたらどうなるかわかったものじゃない。君には迷惑をかけると思うが、引き受けてくれないかい?」
    ダ・ヴィンチちゃんの言うこともわかる...この状況だ。何がどうなるかわかったものじゃない...それにダ・ヴィンチちゃんもいたずらに俺を危険に晒そうとしているわけではないことは、今までの経験からわかっている。
    「まぁ、俺がどうのこうの言える問題じゃないからね。それでもう一回教えてもらっていい?」
    顔を上げて言う。そもそも俺には最初からNOとは言えなかったし、言うつもりもなかった。
    「ありがとう。ではもう一度説明しよう!今回の目的地は日本、大阪府大阪市。知られている地名で言うと梅田だ。新宿ほどの異常ではないけど、心してかかって欲しい。」
    「梅田か...オッケー!」
    「先輩、頑張ってください!私も全力でサポートします!」
    マシュが真面目な顔で激励する。
    「カルデアにいるサーヴァントにも協力を要請しているから、大丈夫さ!気負うことはない!」
    ダ・ヴィンチちゃんはそう言うけど、予想外な出来事が起こるのが常だ...
    結局のところ、未知の体験をすることには変わりない。気合を入れていかなければいけない。
    「うん、ありがとう!じゃあ行ってくるね!」
    みんなに見守られながらコフィンに入る。

    「レイシフト開始します。3...2...1...」

    始まった。


    『英知激突都市梅田』

  • 3 彦星七 2017-03-26 21:04:48 7sB927hDarEvPHqp

    「うわぁああああああ‼︎⁉︎」
    お約束だ...お約束の場所に飛ばされた...
    えっ...どこだって?

    空だ...

    大気の冷えを感じながら、落下している。
    『大変だ‼︎またカルデアのサーヴァントたちがはじかれた!』
    ダ・ヴィンチちゃんが叫んでいるが、今の俺にはどうしようもない...無力のまま墜落する...
    その時だった。
    背中を何かに掴まれた。鳥みたいな何かだけど、よく見えない...
    そのままその何かによって、ビルの屋上まで運ばれる。奇跡的に無傷だった。
    『マスター‼︎大丈夫ですか⁈』
    マシュが叫んでいる。
    「なんとか...何かが助けてくれた...」
    『それは良かったです...あと...』
    マシュの言葉が一瞬止まった。
    『先輩の真後ろにサーヴァント反応です‼︎』
    「えっ...⁉︎」
    マシュの言葉通り、後ろを見る。
    そこには確かに男が立っていた。
    動きやすそうな服に身を包んでおり、若くはないがそこまで歳をとっている感じでもなかった。そして特徴的だったのは、服のポケットからは石が見えていたことだった。
    「初めまして、ミスター。君が噂に聞いていたカルデアのマスターだね?」
    「あっ...はい...」
    男に言われるままに答えた。少し不気味だ。思わず距離を取りそうになる。
    「怖がらなくていい。私は君たちに敵対するつもりはない。それどころか実のところ、私も手を焼いていたんだ。」
    そう言いながら、男はビルの下を示した。促されるままにビルの下を覗く。
    「どうかな?おかしいところは見つけられるかい?」
    「おかしいって...これ...」
    どう見てもおかしかった。
    今は夜だ。それは間違いない。しかし目下の景色は昼の如く輝いている。いくら梅田といえど、明らかに異常な光の量だった。
    「本当に梅田なの...?」
    「その通り。ここは確かに梅田だが、梅田ではない。」
    男は言葉を続けた。
    「英知を誇る英霊たちがその才、実力を競っているのが今の梅田だ。言うなれば英知激突都市ということになる。」
    「英知激突都市...?」
    「その英知の結果としてこの景色がある。まぁ、詳しいことは下りてから見るとしよう。」
    男は近くの階段を促した。
    「ちょっと待って...あなたは?サーヴァントですよね?」
    まだこちらは男についてまだなにも知らなかった。
    「おっと、すまない。自己紹介が遅れていた。真名は少しわけがあってここでは話せない。あとで言うつもりだけどね。」
    そのわけも気になるところだが尋ねる前に、男は言葉を続けた。
    「クラスは教えよう、キャスターだ。と言っても私に魔術的なことは皆無に等しい。そもそも私は医者だからね。」
    魔術的なことは皆無。男はそう言ったが、かといって普通の者でもなさそうだった。
    「その石は...?」
    ポケットの中の石を指差す。最初見たときから気になっていたことだった。
    「うん?これかい?」
    そう言いながら、男は石を渡して来た。
    「これは私の趣味だ。何かわかるかな?」
    男が渡してきた石は本当に普通の石みたいだった。ただ変な模様があるだけの...
    「とりあえずここでは話が進まない。下りて確実に見てみよう。」
    男...キャスターに連れられるままに階段を下りた。

  • 4 彦星七 2017-03-26 21:05:52 7sB927hDarEvPHqp

    「なにこれは...⁉︎」
    驚嘆の声が思わず飛び出た。
    だって明らかにおかしい...
    光がおかしい、眩しすぎる。視線がおかしい、監視カメラが多すぎる。人がおかしい、歩行者の半分はロボットだった。
    「これが今の梅田だ。英知の結晶としての都市として展開しているね。」
    「でもこれは人間が住める場所ではない...」
    「その通り。新技術・新発明を提供し続けた英霊たちは1度栓が緩むと止まらなくなる。彼らは意固地だから自ら止まることはないだろうね。」
    キャスターが街を見ながら言う。
    『うーん、実にセンスのない街だ。私ならもっとオシャレに梅田をアレンジして...』
    『ダ・ヴィンチちゃんは集中してください!』
    ダ・ヴィンチちゃんをマシュが注意していた。
    でもダ・ヴィンチちゃんの言う通りだ。
    センスがないし、人間には無理がある。
    「じゃあ、俺たちが止めなくちゃ...」
    いつもの調子でその言葉を口にする。止めなければいけないという使命感があった。
    「すばらしい!さすがは世界を救ったマスターだ。言うことが違うね。頼もしい!」
    キャスターが歓喜の声を上げた。
    「私1人では無理があった。そもそも彼らと私では本質的に異なるものだからね。」
    キャスターが言葉を続けた。
    「本質的に異なる?」
    「研究対象の話だ。目指すものが違ったのだよ。」
    キャスターは淡々と語っていた。

    その時だった。

    『マスター‼︎付近に敵性反応!数は...15!囲まれています!』
    マシュの通信の声が荒ぶった。
    『この反応は...オートマタです!』
    その声と同時に15機のオートマタが梅田の街中を滑って来た。
    「オートマタ...」
    「英知の誰かが自分のシステムの防衛のために送ったものだ。まったく、我々を狙うとは...」
    キャスターが腕を捲りながらぼやいた。
    「キャスター、手を貸してくれる?」
    「えぇ、あなたをマスターとします。仮にも私もサーヴァントの以上は...」
    キャスターが石を握り、大きく振るう。
    すると大きな鮫みたいな生き物が、1機のオートマタに噛み付いた。
    「すごい!」
    「ありがとう。だがこうも数で来られると仕方がないね...宝具を使おう。」
    キャスターがそう言って、両手に石を握る。
    「監視カメラがある以上、宝具から真名。もちろん逆も然りですが、相手に露見する恐れがあるので極力避けたかったのですが...」
    そう言いつつも、両手の石を高く掲げた。
    「現るは古き覇者。大地を蹂躙し、繁栄を迎えしもの!今再び...『轟け、太古の咆哮(ロストワールド)!』」
    キャスターの叫びとともに、地が揺れた。
    地揺れに一瞬、顔を下に向けた時だった。
    何かが目の前に現れた。
    顔を上げる。
    そして驚嘆した...
    目の前にいたのは...

    「恐竜だ...」

  • 5 彦星七 2017-03-26 21:07:10 7sB927hDarEvPHqp

    強大な恐竜。
    それが目の前でオートマタをなぎ倒していた。
    想定外であろう恐竜にオートマタは適応不能の反応を見せる。一方の恐竜は野生の本能のままに、異常反応を示すオートマタを文字通り粉砕していた...

    本当に信じがたい風景だった...
    光量が異常な梅田で、恐竜が大暴れしている。
    映画のような風景だった。
    『そんな...恐竜の召喚だなんて...』
    マシュも驚いていた。
    「タラスクみたいだね...」
    聖女マルタの宝具。竜タラスクが暴れる宝具である。まぁマルタが暴れることもあるけど...
    「でも竜の召喚なんて...」
    竜の召喚...かなり難易度が高いものだ。少なくとも魔術的なことは皆無と言い切るキャスターにできるようなことでは...
    『いや、あれは竜の召喚じゃないなぁ...』
    ダ・ヴィンチちゃんが冷静に分析していた。
    「竜の召喚じゃない⁉︎」
    『そうだとも!そもそもあの宝具はもっと単純だ。』
    「単純...」
    『あれは単に偉業の再現をしているだけだ。簡単に言うと「恐竜の発見」を再現しているにすぎないってことだ。』
    宝具は自身の偉業からなることからなることもある。例えばエジソンの宝具は自身の発明品がその根底にある。
    『ということは「恐竜の発見」を宝具にできる人間は数少ないってことだね。』
    『「恐竜の発見」に関わった人は...「恐竜」の命名者リチャード・オーウェン博士...』
    『まぁ、その線は薄いだろう。』
    『あとはウィリアム・バックランド博士...』
    『なくはないが、もっと堂々と誇ることのできる男がいないかい?』
    『はい。やはりイグアノドンを発見し、世界で初めて恐竜を発見した...』
    ついにキャスターの真名に辿り着いた。
    『ギデオン・マンテル博士です。』
    ギデオン・マンテル。名前は知らなくても、恐竜を世界で初めて発見した男といえば、その偉業は十分すぎる。
    「なるほど。その様子だと、私の真名に辿り着いたみたいだね。」
    戦闘を終えたキャスター...ギデオン・マンテルが話に混ざってきた。
    「いやいや、実は真名を伏せていたのは諸君を試していたのもあるが...」
    マンテルが一瞬下を向いた。
    「君たちを甘く見ていたようだね。非礼を詫びよう。」
    マンテルが右手を差し出してきた。
    それを握りしめて、強く振った。
    「かっこよかった!恐竜、最高です‼︎」
    純粋な感想だった。
    キャスターとしての実力は知らないが、宝具の格好良さはピカイチだった。
    「はははは!素直で良いね!それが新しい探究心へと繋がるんだよ。」
    『先輩は恐竜が好き...』
    『というより男は一度は恐竜が好きに成るものなのさ!』
    確かに多くの男性なら恐竜に1度は興味を持つものだった。
    「では紹介も終わったことだし、私が本拠にしているところに招待しよう。」
    「梅田の場所はわかるの?」
    「大丈夫...のはずだ。地下に降りれば...確か地下鉄の方の喫茶店に...ええっと看板は...東梅田?どこだここは...」
    「ダメじゃん...」
    当分は迷子になるみたいだ...

  • 6 彦星七 2017-03-26 21:08:39 7sB927hDarEvPHqp

    「さて、迷うに迷ったわけだが無事に帰還はできたね。」
    「30分ぐらいかかったけどね...」
    梅田の地下を彷徨いながら、なんとかマンテルが本拠にしている喫茶店に辿り着いた。
    そこは地下通路の一角にある喫茶店だったが、今は休店しているみたいで、誰もいなかった。
    「さて、今の梅田の状況を説明しよう。」
    椅子に座りながら、マンテルは語り始めた。
    「先ほども言ったが、現在の梅田は英知を誇る英霊が、その頭脳を競っている。」
    「うんうん。」
    「私もその全体の概要を掴んでいるわけではないから、詳しいことは言えないが、彼らは共同関係にあるわけではなく、どちらかというと敵対関係という方が正しいのかもしれないね。」
    「なるほど...」
    「彼らのうち、1人についてはわかっている。トーマス・エジソンだ。」
    「うん...なんとなくわかっていた...」
    英知激突というぐらいだから、エジソンが出てきてもおかしくはない。むしろあの性格なら、自ら進んで来る可能性もある...
    『エジソンさんですからね...』
    『まぁ、彼なら来てもおかしくはない。』
    マシュとダ・ヴィンチちゃんも同じ反応だった。
    「うん?エジソンと知り合いなのかい?」
    マンテルが予想外だと言わんばかりの反応を示した。
    「うん、アメリカで色々とあって...」
    「なるほど、ならば彼自体についての説明は不要だね。早くて助かる。」
    マンテルは言葉を続けた。
    「エジソンは駅前の巨大家電量販店を本拠地にしている。彼らしいね。」
    家電量販店...確かに新商品とか言って自身の発明品を売っている姿は容易に想像できた。
    『駅前に家電量販店、確かに確認できました。』
    マシュがいち早く特定した。
    「彼らについて、今私が理解しているのはここまでだね。」
    マンテルが説明を終了した。
    『敵について理解しているのはありがたいね。さて、ここからどうするかだけど...』
    ダ・ヴィンチちゃんの言う通りだ。敵を知ったがどうするかは別の話だ...
    沈黙が漂い始めた時だった。

    プルルルル、プルルルル!

    店の電話が鳴った。
    「ボンジュール?」
    恐る恐る受話器を取った。
    「グワーン...プシュー...カルデアのマスターよ。」
    聞き覚えがある音・声がした。この蒸気音、駆動音は...
    「バベッジ!」
    「無事なようで安心した。我は梅田の一角で情報収集をしている。今から我が有する情報を伝えよう。カルデアにも繋ぐことを勧める。」
    「りょ...了解...!」
    ダ・ヴィンチちゃんに音を拾う準備をしてもらった。
    「では始める。ガシャガシャグワーン、グワーンガシャガシャガシャグワーン...」
    いきなり駆動音がした。
    「なにこれ⁉︎」
    『モールス信号か!』
    『流石バベッジさんですね...』
    バベッジ恐るべし...駆動音は鳴り続けた。
    「ガシャグワーン、グワーンガシャグワーングワーンガシャ...以上だ。傍受されている可能性もある。通信はあまりできないが、必要な時はここに連絡をいれる。」
    「ありがとう、バベッジ!」
    電話は切れた。
    『バベッジさんが提供した情報は...』
    『「梅田から少し歩いたところ、北新地の近くのビルにニコラ・テスラがいる。戦力が欲しいなら彼と合流をするように。連絡は終了している。」だって!』
    ダ・ヴィンチちゃんが言い終えた。
    「ニコラ・テスラ⁉︎」
    これまた知っている名前が飛び出した。
    「なるほど、知り合いだったら合流するほかないね。少なくとも私だけではろくに戦うこともできない...」
    マンテルの言う通りだ。戦力という点ならテスラは申し分ない。
    「よし、じゃあテスラと合流しよう!」
    次の目的地は定まった。

  • 7 彦星七 2017-03-26 21:10:58 7sB927hDarEvPHqp

    「私の研究所を直接狙うとは、ははっ!愚かなことをしたな!」
    飛び散る電流の横、1人の紳士が椅子に座っている。
    その紳士を取り囲むように、機械の兵士が展開していた。
    「目標確認。連行セヨ、連行セヨ。」
    機械の兵士が命令通りに動こうとする。
    「まったく凡骨の考えることは、所詮底が見える。」
    紳士は悠々と椅子にもたれかかっている。
    「攻撃開始、攻撃開始‼︎」
    機械の兵士が、手の銃を紳士に向ける。
    「来るか!っはは!」
    紳士が高らかに笑った時だった。
    機械の兵士を電流が駆け。電流が流れて機械の兵士は中からスクラップになった。
    「想定外、想定外...」
    「想定外?ならば覚えておくがいい!これこそ人類神話である!」
    崩れた機械を見下ろしながら紳士は声高に笑う。
    「さて、この機械はどこへ捨てようか...」

    ...

    「うーん、迷ったね...」
    ビルが多すぎる...
    「なんだか似てるビルが結構ある...」
    北新地の近くといえど、似たようなビルばかりでどこにいるのか見当もつかない。
    『確かに先輩の言う通りです。こちらからも追ってますが反応が似たものばかりです。』
    カルデアのマシュも同じ反応だった。かといって地下道の魅惑にはまってしまえば、それで終わり。待っているのは迷路だった。
    『でも、テスラさんがここを選んだ理由もわかりますね。ここならば見つかることもありませんし。』
    確かにマシュの言う通りだった。
    味方だけではなく、敵の目も惑わすことができる場所だった。
    「確かにそうだけど...本当にどこだ...」
    あたりを見回した時だった。

    ドーーーーーン‼︎‼︎‼︎

    雷のような爆音が轟いた。
    『マ...マスター⁉︎今の音は...⁈』
    マシュの声が甲高かった。
    『だ...大丈夫ですか⁉︎』
    「うん、大丈夫だよ...」
    『よ...よかったです...あっ...!マスター!近くにサーヴァント反応です!』
    マシュが叫ぶ。
    確かにその通りだ。サーヴァントが視界に入った。
    「あれかな?」
    マンテルが尋ねてくる。
    「うん、あれだ...」
    ストレートに返した。
    ビルの屋上に立つ紳士。右手に雷電を纏い叫ぶ男。
    その男のもとへ機械化歩兵のようなものが、飛行しようとしていた。
    「ははははは!!!諸君!私を捉えるつもりならここまで来てみせよ!ここまで来れば我が雷電を示してみせよう!」
    煩いほどの声が辺りに響いていた。間違いない...Dr.ライトニング、ニコラ・テスラだ。
    『はい...テスラさんですね...』
    マシュも納得した。
    「テスラだったらあれぐらいの敵は大丈夫だろうけど、一応援護しようか...」
    「了解。私も戦い慣れをするとしようかな。」
    マンテルと2人でビルに近づいていった。

  • 8 彦星七 2017-03-26 21:11:58 7sB927hDarEvPHqp

    なぜ私がこの都市に存在するのか...
    疑問は消えることはない。
    トーマス・エジソンやニコラ・テスラは人々に新しきを提供した英霊だ。この都市にいる他の英霊もそういう類いだと思う。
    ではなぜ私がこの都市にいるのか?
    私は患者の病を治し、合間を縫って趣味の化石を眺めていた男だ。確かに私の発見も人々に新しきをもたらしたかもしれない。だが、私のそれは太古の世界を示したのであり、彼らのような人々の利便性を高めたわけではない。
    わからない...
    最初にイグアノドンの化石を見た時と同じぐらいに謎だ...
    私が存在する理由...
    謎だ...

    ...

    「ふむ!ここが君たちの拠点ということか!」
    ニコラ・テスラと無事に合流を果たして、マンテルの本拠の喫茶店に戻ってきた。
    「なるほど快適な場所だ!」
    そう言いながら、テスラがカウンター席に腰かけた。
    『取り敢えずは目的を達成しましたね、マスター。』
    マシュの言う通りだ。テスラと無事に合流できたのは大きな成果だ。
    「諸君らについてはMr.バベッジから聞いている。そして私と合流したということは、諸君らはこの天才の力を欲しているというということだ!」
    断定されているが、確かにその通りだった。
    「博士!力を貸してください!」
    正直に頼んだ。
    「よろしい!ならばこの天才の力を存分に使うが良い!」
    声高らかにテスラが言い放った。
    『やりましたね!先輩!』
    その通りだ!これでこっちにはサーヴァントが2騎いることになる。
    『このダ・ヴィンチちゃんの頭脳もあるよ!』
    確かに知恵だけなら3騎分ある。
    『それで、次はどうされますか?マスター。』
    マシュが尋ねてくる。
    サーヴァントが増えたからといって、油断はできない。かといって、何もしなかったら、何も起こらない。
    今できることは...
    「エジソンを倒そう。」
    それだけだった。
    「確かに今できる範囲ならそれが最善だね。」
    マンテルも首を縦に振る。
    次の目的は決まった。そうとなれば...
    「だったら今日は寝よう。君には体力の限界がある。休めるときに休むことを、医者の立場から勧めるよ。」
    マンテルにそう言われた。確かにそれもその通りだ。
    『マンテルさんの仰る通りです。今日は休みましょう、先輩。』
    マシュにもそう勧められたら仕方がない。
    「おやすみ...」
    妥当エジソンを翌日に決めて、眠りに落ちた...

    ...

    「Mr.マンテル、この天才の頭脳を持ってしてわかったことだが、何か悩みがあるのではないか?」
    ソファで眠るマスターの横で、天才が口を開いた。
    「やはりお見通しだったか...実のところ、なぜ私がここに召喚されたのかが疑問で仕方がないんだ。」
    コーヒーを飲みながら、マンテルが答えた。
    「ふぅむ。なるほど、確かに難解な問題であるが...」
    テスラがマスターの寝顔を一瞬見て、言った。
    「彼に引かれるように出会った以上は、君にも役割があるのではないか?天才たる私の経験から、そう推測した。」
    コーヒーを飲むマンテルがそれを聞き、同じようにマスターの顔を見る。
    「確かにそうかもしれないね。この私でも役に立つことがあるのかもしれない...」
    人類に先進を広めた男と人類に太古を展開した男の対話はひっそりと続いたのだった。

  • 9 彦星七 2017-03-26 21:13:44 7sB927hDarEvPHqp

    「よし、行こう!」
    テーブルを囲んで、マンテルとテスラを見る。2人とも異議はないようだ。
    『はい。目標はエジソンさんのいる家電量販店です。ここからだと、歩いて行けます。』
    マシュが冷静に場所を示す。
    『といっても、あのエジソンだからね...何もしてこないわけはないと思うんだよね...』
    ダ・ヴィンチちゃんの意見も最もだった。アメリカで戦った時のエジソンはしつこいぐらいに、手強かった...
    「ははっ!凡骨の行いなど天才たる私にとってみればたわいもないことである!」
    腕を組みながら、テスラが笑う。確かに対エジソンにおいて、彼ほど適任はいないであろうと思われる。もっとも、こちらからしてもエジソンは天敵であろうが...
    「だけど、Mr.テスラの言う通りだ。こちらは2騎のサーヴァントがいる。純粋な戦力としてはこちらの方が上だね。」
    マンテルが頷く。
    「もっとも私は、宝具を展開しないとどうしようもないけどね...」
    「でも宝具がかっこいいからいいよ!」
    それに1度恐竜を出してしまえば、そうそう負けることもないはずだ。
    「よし!いくよ!」
    準備は整った、ならば進むだけだ!

    ...

    「侵入者発見、侵入者発見!排除セヨ!排除セヨ!」
    堂々と正面から入った俺たちを機械化歩兵が一斉に取り囲んだ。
    「ははっ、来たぞ!では迎え撃とう!」
    右手に雷電を纏いながらテスラが前進する。
    発砲音が聞こえたかと思うと、囲んでいた機械化歩兵は一斉に機能停止した。弾丸はテスラの足元に転がっていた。
    「たわいもない!」
    腕を組みながら天才が吠えた。
    「実に頼もしい。それにしてもあの早さで倒してしまうとは...」
    マンテルが感心するように言った。
    「これが私のスタイルである。と言ってもこれで良い!ここであの凡骨に君の宝具を知られるわけにもいかないだろう。」
    テスラの言う通りだ。こちらの手の内は見せずにすむならそれに越したことはない。もう知られているのかもしれないが...
    敵を潰しながら、堂々と最上階へと上がっていった。

    ...

    「ようこそ!私が誇る研究所へ!」
    ライオン...もといエジソンが吠えた。
    最上階。そこは大幅に改造されていて、機械やらなんやらが色々と設置されていた。
    「君たちのことはよく知っている!私の設置したカメラに映ってくれていたからね!」
    大きい声がフロア中に響いた。確かにこの家電量販店の中にも多すぎるほどに監視カメラがあった。
    「初めまして、Mr.マンテル。畑違いではあるが、君の名は知っている。お会いできて光栄である!」
    「私もだ、Mr.エジソン。君の名を知らない者はいないだろうからね。」
    マンテルが応じた。
    「それは光栄だ...だが納得がいかないことがある!すっとんきょう!なぜ貴様がいるのだぁああ!!!」
    テスラに向けて、エジソンが吠えた。
    「なぜ?やはり凡骨にはわからないか!私はマスターを得た!見るが良い!」
    そう言いながら、テスラが俺の背中を押した。
    「なぜ貴様がマスターを得たのだ‼︎納得がいかん!」
    「さぁ?質の違いではないか?」
    天才同士の喧嘩を呆れて見つめる。
    『また始まりましたね...』
    マシュも呆れているのがわかった。こうなるとは思っていても、やっぱりアホらしかった...
    「我がマスターが貴様の愚行を止めると言ったのだ!ならば従うまでのことである!」
    「愚行?何を言うか、すっとんきょう!私は我が英知を示しているまでのこと!」
    「それが愚行である!」
    テスラがエジソンに言い切った。
    「よろしい!諸君が我が行為を愚行というのであれば、分かり合えない!ならばかかってくるがよい!」
    エジソンが吠えた。
    いつの間にか戦闘が始まった...

  • 10 彦星七 2017-03-26 21:14:51 7sB927hDarEvPHqp

    「おぉおお!!!」
    エジソンが雷電を放ってくる。
    「ぬんっ‼︎」
    テスラが右手を左右に大きく振り払って、雷電を電流で受け止める。テスラの放った電流が見事にエジソンの雷電を打ち消した。
    「ははっ!やはり凡骨のものでは私に及ぶはずもない!」
    「ぬかせ!テスラァア‼︎」
    エジソンが両手を広げながら吠える。その途端に爆音がフロア中に轟いた。あまりの爆音にテスラが一瞬動きを止めた。
    「テスラ!覚悟おぉおおお!!!」
    エジソンがテスラに飛びかかる。
    その巨体がテスラに覆いかぶさろうとした時だった。

    ドンッ‼︎

    のっしりとした恐竜がエジソンにタックルをかます。エジソンはどうすることもできずに、壁まで弾き飛ばされた。
    他でもない、マンテルの宝具だった。
    「やはり私はイグアノドンが1番だね。1番確実に再現できる。可愛らしくないかい?」
    自身で再現したイグアノドンを撫でながら、マンテルが微笑む。少しシワがあるものの、その笑顔は好きなものを楽しむ少年そのものの顔だった。
    「可愛いというより、かっこいいかな。ところで、再現できない恐竜もいるの?」
    さっきのマンテルの発言に引っかかるところがあったから尋ねてみた。
    「うん?不可能はない。一応、今発見されている恐竜の知識は抑えてあるからね。でも簡単に再現できるのは私のイグアノドンとバックランド君のメガロサウルスだね。」
    「なるほど...」
    確かに自分で発見した恐竜が楽だというのはわからないこともない。
    「簡単にいうと、私が直流のシステムを理解していようと、それが論外だと考えていることと同じである!理解できようと、利用するかどうかは別の話だ!もっとも、あの凡骨は私の交流を理解していなかったと聞くがね。」
    テスラが会話に割り込んできた。エジソンを貶すことも忘れていかなったが、言っていることはよくわかった。確かにその通りかもしれない。
    一方、壁ではエジソンが立ち上がるのが見えた。
    「なぜ...諸君らがすっとんきょうの肩を持つのだだあ!」
    「何を勘違いするか、凡骨!彼らが私の肩を持つのではない!私が!彼らの肩を持っているだけである!」
    「結果は同じことではないか!」
    「私をろくに貶せない男が、私のマスターを批判するのはやめたまえ!株を落とすだけだぞ、エジソン!」
    天才がライオンに言い切った。
    「Dr.ライトニング、かっこいい...」
    純粋にテスラがカッコよかった。
    『マスターの中のテスラ博士の評価が鰻登りです!これは...私もテスラさん派に...⁉︎///』
    マシュがカルデアで慌てふためいているのがわかった。
    「Nooooooooooo!!!」
    ライオンが吠えた。
    「なぜテスラの評価が上がり、私の評価が下がっているのだぁあ‼︎⁉︎」
    「質の話である!」
    「ほざけ!テスラァア!!!」
    ライオンはもう周りが見えていなかった...
    「こうなれば宝具を使用する!覚悟するのだ、すっとんきょう!!!」
    エジソンが構える。
    「そのようなことをすれば、評価を落とすだけだというのに、愚かである...」
    テスラが呆れた。
    「もっともその原因の半分は君にあると見えるけどね。」
    マンテルがやれやれ顔で言う。
    「それは仕方がないな!私が素晴らしいのは自明のことである!」
    天才が高らかに笑った。
    「そのようなことをぬかせるのも今だけである!」
    エジソンが吠えた。
    「貴様の宝具など、底が知れているが...」
    「ほざけ、テスラ!覚悟するのだ!『W・F・D(ワールド・フェイス・ドミネーション)』!」
    フロアが光に包まれた。

  • 11 彦星七 2017-03-26 21:15:51 7sB927hDarEvPHqp

    光が眩い。音が煩い。変なビルが見える。そのビルの真ん中の建物には「EDISON」の文字が堂々としている。
    「どうだ!これこそ我が宝具である!」
    ライオンが吠えた。
    何回も見たことがある宝具だ。
    「相変わらずセンスがない宝具だ!」
    俺の横で天才が叫んだ。
    「ぬかせ!テスラ!」
    エジソンが叫ぶと、爆音が轟いた。
    「うぐぅぅ...‼︎」
    こんなの耐えられるわけがない。あと2回喰らおうものなら、鼓膜が破れるのは時間の問題だ。
    「ぬんんんっ‼︎」
    ライオンの胸の真ん中の穴からビームが放たれる。7色の光線はまっすぐ俺たちに...
    「ふんっ‼︎」
    テスラが右手から電流を放出する。受け止めては良いものの、明らかに押され気味であった。
    「どうした!テスラ!口ほどではないではないか!」
    エジソンは高らかに叫ぶ。
    一方のテスラは苦々しそうな顔だった。
    『まずいです!やはりエジソンさんの宝具のもとでは、さすがのテスラさんでも押し切れません!』
    マシュが真面目に力量を図る。
    「やっぱりここはエジソンの宝具を潰すしか...」
    でも逆に壁にぶつかる。どうやって潰せば良いのか?
    だがここでも口を開いたのは天才だった。
    「私がエジソンを押さえよう!宝具を使用して、エジソンの魔力を消耗させる!」
    確かにテスラの宝具ならば、エジソンとしても放ってはおけないはずだ!
    「そこで頼みがある!Mr.マンテル、あの悪鬼にとどめを刺して欲しい。私ならば連続で宝具を放つことも問題ないが、君が攻撃する方が早い!」
    確かにそれはそうだ。2人で攻撃をした方が確実だ。
    「わかった。だが、まずは君に任せても良いんだね?」
    マンテルが確認をとる。
    「問題はない!私は星の開拓者である!」
    そう言いながら、テスラが右腕を突き出す。
    「神の雷電はここにあり!さあ!ご覧に入れよう!『人類神話・雷電降臨(システム・ケラウノス)』!」

    ドゴォオオオ!!!

    烈音が轟き、ビームのような電流が発射される。
    「ノォオオ!!!」
    エジソンがビームを放ち、電流を受け止める。だが、受け止めるだけで精一杯だった。
    エジソンの七色のビームがテスラの電流を打ち消した。しかしエジソンは満身創痍であり、周りに展開していた宝具の世界も次第に色が落ちてきていた。
    「今だ!Mr.マンテル!」
    テスラが叫ぶ。
    「了解した!借りるぞ、バックランド君!」
    マンテルが石を振り上げる。
    「現るは古き覇者。大地を蹂躙し、繁栄を迎えしもの!今再び...『轟け、太古の咆哮(ロストワールド)』!」

    ドドドドドド!!!

    エジソンの前に恐竜が現れる。それは温厚そうなイグアノドンではない。ただ餌に飢えた肉食恐竜、ザ・ダ恐竜だった。
    「なっ...なっ...⁉︎」
    エジソンは驚き、慌てふためいているが、当の恐竜は知ったこっちゃないという感じだった。

    ガプッ‼︎

    そしてそのまま肉食恐竜はエジソンを丸呑みした...

  • 12 彦星七 2017-03-26 21:17:25 7sB927hDarEvPHqp

    恐竜が姿を消し、エジソンが床に落ちた...
    「うわぁ...残酷...」
    斬るでも射るでもない。食われて終わる、なんとも言いようのない光景だった。
    「こればかりは仕方がないね...自然というのは時にはその恐ろしさをありのまま伝える...」
    マンテルも同情するしかなかった...
    「悪鬼にはふさわしい末路だな...」
    テスラがそう呟いたのを、エジソンは聞き逃さなかった。地獄耳というかなんというか...
    「ほざ...け...テス...ラ...‼︎」
    途切れ途切れの声でエジソンが言葉を紡ぐ。
    「喋らない方が身のためだと私は思うぞ、エジソン。」
    腕を組み、エジソンを見下ろしながらテスラが言った。
    「貴様に...心配...されるこ...とはない...」
    掠れそうな声をエジソンが絞り出す。
    「それより...諸君らに告ぐ...今すぐ...ここを離れ...ることを勧める......すっとんきょうを救う...ことになるのは...癪だが...」
    エジソンは光と消えた。
    そして俺たち3人と、機能が停止した機械がフロアに残された。
    『エジソンさん、消滅を確認しました。』
    マシュが確実な情報を伝える。これでエジソンの脅威は消えた...
    「それにしてもエジソンの最後の言葉...」

    ‘ここを離れることを勧める’

    「あれはいったい...」
    「凡骨のハッタリに...」
    テスラがそう言った時だった。
    『マスター‼︎サーヴァントが急速接近してます‼︎』
    マシュの叫び声が聞こえた。
    「サーヴァント⁉︎何処...⁉︎」
    この建物には俺とマンテルとテスラしかいないはず...
    『これは...外です‼︎』
    マシュの叫びに体が反応した。
    とっさに窓から外を見る。するとそこには急速で接近する飛行機が見えた。ジェット機やジャンボ機ではなく、何処か古みのある飛行機だが、まっすぐに俺たちがいるフロアを目指していた。
    「あれか!ふんっ‼︎」
    アーチャーのテスラが外に電撃を放つ。
    しかし飛行機はすんのところで電撃を躱す。そしてそのまま大きく旋回した。
    「私の電撃を躱すか!ははっ!凡骨よりは実力のある英霊と見た!」
    テスラが大声で叫ぶ。どんな状況でも声のトーンが落ちないのは余裕からなのか、果たして...
    「だが凡骨の言う通り、ここは離れた方が良い!あれは飛行機だ。Mr.マンテルの拠点ならば、むこうは入ってくるわけがない!」
    テスラが冷静に判断した。
    「そうか!確かにあの喫茶店なら...」
    あそこは地下だから飛行機が入れるわけがない!
    「だがどうやって脱出する?Mr.テスラ。」
    マンテルが次の疑問を投げかけた。確かに階段で降りようにも時間がかかる...
    「私が少しの間引きつける!その間にMr.マンテルはマスターを頼もう!私は単独行動のスキルがあるから、帰還は問題ない!」
    テスラが声を張り上げる。確かにベストとは言える策ではないが、ベターな作戦だ。
    「ありがとう。Mr.テスラ、よろしく頼みます。」
    マンテルがそう言って、俺を抱き上げた。その顔は真剣であり、いたって真面目だった。
    「えっ...えっ...⁉︎」
    「マスター、少しの間辛抱してほしい。少しだけだからね。」
    そう言って俺を抱いたまま、マンテルは窓から飛び降りた。
    「落ちるぅうううう‼︎‼︎⁇⁇」
    強い大気の冷えを感じながら、まっすぐ落下している。
    もうダメだ...
    そう思った時だった。
    「‼︎⁉︎」
    落ちていない...何かの上に乗っていた。
    生き物...いや、翼竜だ!プテラノドンとかの類の翼竜の上に乗っていた。
    「間に合ったようだね。」
    マンテルが翼竜の背中を撫でながら言った。どうやらこれもマンテルの宝具みたいだ。
    「さぁ、これで戻ろうか。」
    マンテルがそう言った時だった。
    『マスター‼︎そこは危険です‼︎すぐに離れてください‼︎』
    マシュの叫びが聞こえた。
    「どうしたの⁉︎敵のサーヴァントがいるの⁉︎」
    『いえ、そこは...』
    マシュの口から衝撃の言葉が飛び出した。
    『大阪駅の線路の上です‼︎』
    「まずい‼︎」
    マシュが叫んだのとマンテルが反応したのはほぼ同士だった。マンテルの咄嗟の判断で翼竜の向きが地面から90度に変わった。その翼竜のギリギリのところを、電車が通過する。反応が遅ければあの鉄の塊に...
    『マンテルさん、そちらもです‼︎』
    「くっ...⁉︎」
    翼竜が移動した先のホームでは、後ろから停車しようとする電車に迫られていた。
    「マスター、掴まるんだ!」
    マンテルのその言葉が聞こえた瞬間だった。前向きに飛んでいた翼竜が、空を目指すようになった。
    とっさの方向転換で、振り落とされそうになる。だけど電車は躱せたようだ。
    「これでもう大丈夫だ...」
    大阪駅近くのロータリーに着地しようとした時だった。
    『マスター!サーヴァント反応です‼︎』
    マシュが再び叫ぶ。
    『先ほどの飛行機です‼︎』
    「なんだって‼︎⁉︎」
    振り向くと、謎の飛行機が俺たちに迫っていた。

  • 13 彦星七 2017-03-26 21:18:30 7sB927hDarEvPHqp

    とりあえずFGO板で作っていた分は投稿しました!
    また更新していきますので、よろしくお願いします!

  • 14 彦星七 2017-03-27 21:08:51 Ikd7LJQ504XFJQa

    「まずい!逃げなければ...」
    マンテルが俺の手を引き、再び翼竜に乗せようとした時だった。
    「...‼︎⁉︎」
    重い...
    体が重すぎる...
    突如として体が重くなり、動けなくなった。俺だけではない。マンテルも翼竜も動けなくなっている。
    しかしまわりは普通に動いていたし、飛行機は相変わらず俺たち目掛けて突進している。
    どうやらどこかから攻撃を受けているみたいだ...そうでなければこの状態は異常でしかない。
    『マスター!逃げてください!マスター!』
    わかってるよ...マシュ...
    でも体が重すぎて動けないんだ...足を上げることすら難しいぐらいに重いんだ...諦めたくはないけど...動けない...
    飛行機は眼前に迫っていた。
    『先輩!マスタァアァアアア‼︎‼︎』
    マシュ...

    「レディの叫びが聞こえます。なるほどこの人はレディにとって大切な人なのでしょう。」

    誰だ...?
    ギリギリのところで顔を上げる。視界に入ったのは、帽子を被りスーツを身にまとった英国紳士のような男だった。
    「私が愛した黄金の少年王は妻を愛したと言います。ですが、少年王はまだ幼くして命を落した。」
    英国紳士が言葉を紡ぐ。
    「悲しい。いや、誰よりも悲しく思い、無念だったのは少年王に違いないでしょう。少年王は心優しい。自分のように悲しみ、悲しませることは見過ごせないお方です。」
    英国紳士が俺たちを庇うように迫り来る飛行機に立ち向かう。
    「カルデアのマスター。私は貴方に手を貸す義理もなければ必要もない。ですがレディのため、少年王のためにここはお助けしましょう。」
    英国紳士が胸に手を当て、飛行機をまっすぐ見つめる。
    「偉大なりし少年王よ。その輝けるご威光をここにお示しください。」
    英国紳士が両手を上げる。
    『威風堂々・黄金仮面(ソウル・オブ・ツタンカーメン)‼︎』
    視界が光に包まれた。
    エジソンのような眩い光ではない。神々しくてどこか優しさのある光だった。

    飛行機が光を回避するために急旋回し、俺たちから離れていく。
    その飛行機の左翼に雷電が落ちた。テスラだ。
    「ははははは!私から逃げたつもりであろうが、もはや逃げられはしない!」
    ビルの屋上に姿を見せたテスラが雷電を放ち、右翼に命中させる。2発の雷電を受けた飛行機は夜の空に消えていった。
    その途端に体が軽くなった。マンテルも翼竜も解放されたみたいだ。
    しかし先ほど助けてくれた英国紳士は姿を消していた...

  • 15 彦星七 2017-03-28 22:04:18 Ikd7LJQ504XFJQa

    「なるほど、カルデアのマスターは逃げたか。」
    梅田の中心から少し離れたビルである。英知を誇るサーヴァントたちがその屋上庭園に集合していた。
    「君たちならば確実に追い詰めると思ったが、やはり不可能だったか。」
    サーヴァントの一騎、高名な物理学者がぼやいた。
    「悪いが、兄さんを馬鹿にするのは許さん。そもそも俺たちは飛行機は好きだが、軍人ではない。戦争がしたかったらそういう連中を呼ぶんだな。」
    「おい、そこまでにしておけ。」
    物理学者に詰め寄る弟を兄が制止する。
    「そもそも俺たちは対等だ。そこの物理学者の指示で戦っているわけではない。カルデアのマスターをどう扱おうが、俺たちの自由だ。もっとも俺たちのフライトを邪魔されるのはこちらとしても喜ばしいことではないが...」
    弟を抑える兄がそう言った。
    「兄さんの言う通りだ。俺たちは俺たちのやり方でやる。今回みたいな真似は不必要だ。」
    そう言い放つと兄弟の弟は屋上庭園から飛び降りて、飛行機に搭乗した。同じように兄も屋上庭園から姿を消した。
    「なるほど、生前は自身の評価に苦しんだ兄弟たちだ。しっかりしている。私の助力に気付いていたか。」
    ビルから離れていく飛行機を見ながら、物理学者が呟く。
    「空を人間のものにした偉業が宝具となる。なるほど、便利なものだ。片方が空を飛び、片方が記録する。2人で召喚された理由もわかってくるというものだ。」
    自身の髪を撫でながら飛行機を見送った。
    「それで君は何をしているのかね?」
    物理学者は空とは反対側、屋上庭園のベンチに座り、培養皿をただ眺めている医者に声をかける。この医者も物理学者や兄弟のように英霊である。
    「いやぁ、構わないでくれ。ブドウ球菌が今、面白くなっていてね...ぶえっくしょい‼︎」
    医者は盛大にくしゃみをした。
    「あぁ...ブドウ球菌がぁ...」
    医者が崩れ落ちた。どうやら見ていたブドウ球菌にかかったみたいだ。
    「はぁ...まぁ好きにやってくれたまえ...」
    物理学者が呆れながら医者の前を歩き過ぎる。
    「あぁ、好きにさせてもらうよ。それに...」
    培養皿を見つめながら医者がそう言った。そして顔を上げて一言...
    「まだ私の出番ではないだろう?」
    物理学者は医者の目の前で足を止めて応じた。
    「あぁ、そうだとも。」

  • 16 椿芽 2017-03-29 23:45:39 J1bYflFqDvn0lQ

    時間空いたら読むからね!

    • 18 彦星七 2017-03-31 19:18:45 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>16

      ありがとうございます!

  • 17 はなの魔術師 2017-03-31 01:13:04 xNgOpVamKllLVRP

    10個ぐらいに分けられた話ですが面白くて一気に読み進めました…今では早く続きが読みたいとも思っています。
    こんな素晴らしい作品を書いて下さりありがとうございます。

    • 19 彦星七 2017-03-31 19:19:46 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>17

      こちらこそありがとうございます!

      これからも頑張って更新していきます!

  • 20 彦星七 2017-03-31 19:22:02 Ikd7LJQ504XFJQa

    「さて、今回の件について振り返ってみよう。」
    マンテルが本拠地としている喫茶店に戻ってきた。なんとか全員無事のようである。
    エジソン打倒のためにここを出たはずなのに、なぜか飛行機に追われたり、体が動かなくなったり、変な英国紳士みたいな人に出会ったりした...
    『問題はあの飛行機だね。誰か詳しいことを見たりしなかったかい?パイロットとかがわかれば大きいが...』
    ダ・ヴィンチちゃんが情報提供を求める。あの飛行機は宝具だろうけど、飛行機だけじゃ幅が広すぎる。戦闘機なのかグライダーなのかだけでも大きく違ってくるというものだ。
    「その件についてであるが、この天才の頭をもってしても不可解なことがあったので述べておこう!」
    椅子に座っていたテスラが立ち上がり、説明を始めた。
    「あの時マスターとMr.マンテルがあの建物を出た時から私はあの飛行機を引きつけていた。だがマスターたちが大きく移動を開始した段階で、私のことを放置し、そちらの方に攻撃を開始した。私が雷電でどれほど妨害しようと、常に2人の場所を把握しているかのような動きであった!」
    テスラが言った情報は大きかった。つまりあの時俺たちは監視されていたということだ...
    『監視カメラか何かでしょうか?常に場所を把握するなんて...』
    マシュが推察する。確かに映像化したら一発だろう。
    『いや、あの飛行機はジェットエンジンじゃなかったし、高度な機械があるとも思えない。』
    ダ・ヴィンチちゃんが、先ほどの戦闘における映像を見ながら言う。
    「そう考えると、軍人の可能性は低いようだね。あんな旧式の飛行機を引っさげてくる将軍もいないだろうし...」
    確かにマンテルの言うことも一理ある。あれほど旧式の飛行機をもってくるぐらいなら、征服王イスカンダルのように兵士を連れてくる方が効率的だ。もっともイスカンダルのあの宝具はほとんど例外だけど...
    『軍人の線が消えるとあとは話が早い。飛行機を宝具化できる一般人の方が少ないからね。』
    ダ・ヴィンチちゃんの言う通りだ。飛行機に関係ある英霊なんて数が限られる。
    「高度な機械を有していないと考えると残りは人でしかあり得ない!ははっ!話は決まったようなものだ!どうだね?カルデアの諸君、Mr.マンテル!」
    テスラが確信を得たかのように叫んだ。どうやら天才は答えにたどり着いたみたいだ。
    『なるほど!そう言うことか!確かにそれなら完璧に説明がつく!』
    モニター越しにダ・ヴィンチちゃんも手を叩いた。
    『1人で考えるからダメなんだね!あぁ、謎が解けたよ!そう考えると「彼ら」しかあり得ない!』
    ダ・ヴィンチちゃんが納得の声を上げる。
    「あぁ、そう言うことか。なるほど確かに納得です。」
    横のマンテルも理解したようだ。
    でも俺は理解していない...
    『今まで出会ったサーヴァントの中に2人で1人のようなサーヴァントがいただろう?』
    ダ・ヴィンチちゃんが問うてきた。
    「アンとメアリーだね!」
    『そう。彼女たちは例外みたいなサーヴァントだ。だけど今回もそのような例外みたいだね。』
    ダ・ヴィンチちゃんが答えに誘導する。
    『2人で1人の、飛行機に関係する人たちって...君も知っているだろう?』
    そう言われて全てを理解した。
    いた!
    それに相応しい「人たち」が...

  • 21 はなの魔術師 2017-04-03 23:58:01 U8Pz47mZlbH2BaX

    やっぱりあの5兄弟のことだったのか…まあ、初めから分かってたけどね(←最初からさっぱり分かってなかった人)
    ここからどう物語が進むのか……想像出来ないな。

  • 22 彦星七 2017-04-04 16:40:24 4HZFgmz95q2pZH

    ライト兄弟。
    兄のウィルバー・ライト、弟のオーヴィル・ライトの2人で世界初の飛行機で飛行を行った偉人としてあまりにも有名だ。
    世界初の飛行は兄弟2人がいてこその偉業でありアン、メアリーと同じように2人であることに意義がある人物だ。
    「なるほど...と言うことはどちらか片方が私達の位置を逐一見ていたということだね...だからあの飛行機が私達の場所をピンポイントにわかっていたと言うことか...」
    マンテルの言う通りだろう、2人同時に召喚されているからこそできる方法だ。
    『そうと見た方がいい。つまり2人同時に相手をするってことさ。それにあの飛行機、あれもあの見た目で驚異的な旋回を見せていた。私の知識と技術ならば簡単だが、あんな飛行機は容易にできるものではない。おそらくあれが宝具であり、飛行機という概念によって強化されているのだろう。』
    ダ・ヴィンチちゃんが同意する。
    やはりあの飛行機が宝具だった。
    『ですが、アンさん、メアリーさんと同じ召喚だと考えるなら片方が消滅すれば、もう片方も消滅するのではなかったでしょうか?』
    マシュが冷静に言った。
    「確かに!」
    思わず手を叩いてしまった。2人を倒す必要はない。どちらか片方を倒せば良いんだ。
    「素晴らしい!流石である!ならばもはや答えは決まったようなものではないか!」
    テスラも声を張り上げた。
    「そうだね。倒す方は私達を見ている方だ。」
    マンテルの言う通りだ。
    飛行機を相手するのは難しい。だけどもう片方の方で、俺達を見ている方を攻撃すれば飛行機も消滅する。アン、メアリーみたいに両方戦えるサーヴァントだと厄介だが、少なくともライト兄弟の逸話の中に武人としての逸話は皆無だ。見ている方を倒すのはこのメンバーならば造作もないだろう。
    「よし、そうと決まったら今すぐにでも攻撃をかけたいけど、マスターの体力にも限界がある。今日はもう休んで明日に勝負をかけよう。」
    マンテルの提案でライト兄弟との戦いが明日に決まった。
    これは大一番になるかもしれない...

  • 23 彦星七 2017-04-05 19:57:27 Ikd7LJQ504XFJQa

    「さぁ...どこにいるんだ...」
    梅田の地下通路と地上を繋ぐ階段出入口である。
    飛行機の音が聞こえる。だがまだ接近する気配はない。
    どうやらまだ向こうは俺達の場所に気付いていないようだった。それもそのはずで飛行機が地下から迫りくることはまずない。そのため俺達の背中の地下については注意をする必要がない。そして梅田の階段出入口はただ階段があるだけではなく、建物ビルの一階部分にあったりするので、何もないところに比べて、見つかりにくさは上がった。
    見つかる前に兄弟で俺達の場所を監視する方を見つけなければいけない。常に俺たちを監視するということは見渡しのいいところのはずだ。
    だけど梅田には高いビルが多いし、建物自体も数があり隠れるところが多すぎる...
    「くそっ...俺達を見るところなんて多すぎる...」
    建物が多い。それをいちいちしらみ潰しに探して行くようでは時間が多すぎる...
    『あ...あの...ふと思ったんですけど...』
    マシュがそっと言ってきた。
    『地図を見て気付いたのですが、梅田って大阪駅で分断されている感じですよね?ですから中央にある大阪駅が1番全体を見渡せるのではないでしょうか?』
    その言葉に俺達全員が反応した。急いで後ろの大阪駅の方を見る。
    いた‼︎
    大阪駅ではないが、大胆にも線路の上に男がいた。少し古いような服装でもわかるし、そもそも常人があんなところにいるはずがない!
    「ははっ!見つけたぞ!もはや勝負は決まったようなものである!」
    テスラが叫びながら、右手を構える。
    幸いにもアーチャーのテスラは距離があろうと問題ない。稲妻の速さで攻撃できるのだ。
    「待った...!Mr.テスラ!」
    マンテルが制止の声を上げる。
    「飛行機の音が聞こえない!」
    マンテルが叫んだ。
    確かにそうだった...さっきまで聞こえていた飛行機の音が聞こえない...どこへ行ったのだろうか...

    その時だった。

    目の前にいる線路の上の男がいきなり飛行機に乗って突撃してきた。
    例の飛行機だ!ライト兄弟の宝具と思われる飛行機だった。
    そんなに一瞬で飛行機を出すことができるのか...
    だがそのようなことを言っていても遅い...
    飛行機はまっすぐ俺に目掛けて突撃してくる。
    間に合わない...
    「マスター‼︎ここから離れたまえ!」
    テスラの高々しい声が聞こえたかと思うと、突然俺の体は突き放された。
    見ればわかる...
    横にいたテスラが俺を突き放したのだった。
    その勢いのまま俺はビルの壁に激突し、テスラの体に飛行機の牙が襲いかかった...

  • 24 彦星七 2017-04-07 19:12:48 BVca7VsxwePyGWh

    痛い...
    体中が痛い...
    突き飛ばされた時に当たりどころがかなり悪かったみたいだ...
    体中に激痛が走っている...動けるかどうかすら怪しい...
    ビルの壁で動かない体を動かそうとしていた時だった。
    目の前に男の人が立っていた。素朴な黒い着物に身を覆い、首に十字架をかけたおじいちゃんだった。
    「カルデアのマスター。その怪我を治そうと思うかね...?」
    おじいちゃんが問うてきた。無言で首を縦に振る。
    「よろしい...この世界の歪みを正そうという目的を持つカルデアのマスター。及ばずながら、私の力を授けよう...」
    そういっておじいちゃんは俺の左腕を掴んだ。
    「我が医で病を...我が医で人を...我が医で太平を志す。『雖知苦斎養生太平(すいちくさいようじょうたいへい)』。」
    おじいちゃんが宝具らしき詠唱をしたかと思うと、俺の腕を離した。
    「えぇ、もう治りましたよ。」
    おじいちゃんに言われて腕を動かす。
    動く...‼︎手も足も元どおりに動くようになっていた。
    「さぁ、最後にこれを飲みなさい。」
    そう言ってお椀を出してきた。薬のようであり、言われるがままに飲む。苦かったがどこかしら体が良くなった気がする。
    「もう大丈夫だ。」
    おじいちゃんが言った。このおじいちゃんもサーヴァントなのだろうか...
    「カルデアのマスター、貴方はこの異常な世界を救うつもりかね...?」
    当然。おじいちゃんに答えた。
    「よろしい。私も英霊ではあるが、戦闘には向いていないものでな...ここは君に任せていいかね?」
    首を縦に振る。貴方も手伝ってくださいとも言ってみた。
    「いやはや...情けない話だが見ての通り私も歳でな...それに他に急を要することが起こりそうなのだ。」
    おじいちゃんは残念そうに言った。
    「だが私も悪魔ではない。君に力を貸そう。」
    そう言いながらおじいちゃんはテスラを巻き込み、空に飛んでいる飛行機を見上げる。
    「では...神明裁決を行う...汝、抵抗するなかれ!」
    おじいちゃんは飛行機目掛けて手を振り上げた。
    見るとテスラを振り落とそうとしていた飛行機は動きが鈍くなった。
    神明裁決...このおじいちゃんは裁定者のサーヴァントなのだろうか...
    「では...ここは任せるとしよう。」
    おじいちゃんはゆっくり歩き始めた。
    「待って...貴方の真名はなんですか?」
    おじいちゃんに尋ねる。
    「おぉ...忘れておった...私はルーラー、翠竹庵道三。君が世界の歪みを正そうとする限り、私は君に手を貸そう。」
    穏やかに一瞬口角を上げたかと思うと、おじいちゃんは再び歩き始めた。

  • 25 はなの魔術師 2017-04-07 21:12:17 NcT6XufDGi4dP1fF

    執筆ごくろうさまです!今回のもドキドキしながら読ませていただきました!!
    それにしてもルーラー(?)までもが出てくるとは……なんだか波乱の予感がすると私の千里眼が言っているよ。

    • 26 彦星七 2017-04-07 21:35:31 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>25

      ありがとうございます!

      これからも怒涛の展開ですよ!
      サーヴァントはそう言うクラスを出さないとどうしても他のクラスの偏りとかが起こってしまうので...

      • 27 はなの魔術師 2017-04-07 22:25:49 NcT6XufDGi4dP1fF

        >>26

        返信遅れて申し訳ない
        まあ、確かに今回のお話は英知激突と謳っているからキャスターが多そうなイメージがあったから納得しました

        次からの展開も楽しみにしてます!

        • 28 彦星七 2017-04-07 23:09:48 BVca7VsxwePyGWh

          >>27

          天才だとか博識だとか出すと必然的にキャスターになりますからね...

          ありがとうございます!
          これからも頑張ります!

  • 29 彦星七 2017-04-09 19:57:54 Ikd7LJQ504XFJQa

    空中では激しい押し合いが繰り広げられていた。
    飛行機はおじいちゃんの神明裁決のために、自由自在なコントロールを失っており、一方、勢いのままに空中に押されているテスラは意地で飛行機を墜落させようとしていた。それを俺とマンテルは見上げることしかできなかった...
    「くっ...離れろ...落ちろ...!」
    ライト兄弟のどちらかなのかはわからないが、飛行機のパイロットは先頭にへばりついているテスラを振り払おうとしていた。
    「は...はははははは!!!」
    そんな状況にも関わらずテスラは高笑いしていた。
    「流石にこの状況は私にとっても望ましいものではないが...しかし!」
    テスラが右手を持ち上げる。
    「同時にこの状況は私にとってもチャンスとなる!」
    テスラの右手が帯電を始める。その右手は雷で神々しく光を放っていた。
    「この...落ちろぉお!!!」
    飛行機のパイロットが振り払おうとするものの、テスラも落ちる気配はなかった。
    「Mr.マンテル!君は以前なぜ召喚されたかわからないと言っていた!だが君はここに必要な存在である!誇りを持ちたまえ!具体的な答えはないが天才の私がそう言っているのだ、間違いない!そしてそれが何かわかるまでは...」
    飛行機にへばりつきながらも食らいつくテスラが大声で叫ぶ。
    「マスターのことをよろしく頼もう!この私の分まで頼む!この地で出会った最大の友よ!」
    テスラの声が堂々と響いた。
    「では諸君!さらばである!」
    テスラの真剣な鋭い目が飛行機のパイロットを捉える。
    「さぁ!空を開拓した英知を誇る者よ!恐怖し畏怖するが良い!神の雷電はここにあり!人類神話の光をご覧に入れよう!」
    テスラの右手が飛行機のパイロットに狙いをつける。
    「『人類神話・雷電降臨(システム・ケラウノス)』‼︎」

    ドゴォオオオ!!!

    飛行機が青紫色の稲妻に包まれる。これが天才が誇る人類神話の輝きであった。
    そのまま飛行機はコントロールを失い地面に墜落。爆発炎上した...

  • 30 はなの魔術師 2017-04-09 20:14:18 J1ZESX2gDerzxw

    正に英知激突!…ですね
    個人的な見解にすぎませんが人知を超えた英霊同士の闘いは規模が大きくそして、どこか考えさせられるものが多い気がします
    ですのでこういう文が読めたのは純粋に嬉しかったです

    今は……ある天才のピックアップである13日に向けてどれだけ石を貯めれるかについて考えてますね…

    • 31 彦星七 2017-04-09 22:38:12 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>30

      ありがとうございます!
      神霊とかではなく人間同士の範囲の戦いをこの作品では大切にしているつもりなのでそう言っていただけると嬉しいです!

      天才を召喚できることをお祈りします!
      と言っても僕もですけどね...

  • 32 通りすがりのLINK 2017-04-13 01:34:54 9zQxn1Zq31eGRha

    お疲れ様です~
    テスラが逝ってしまった…
    でももしかしたらスキルのガッツでワンチャンあるかな…?

    • 35 彦星七 2017-04-14 21:35:36 4bdNIenJ7VAEQfa

      >>32

      ありがとうございます!
      テスラは僕も好きなので我ながら残念です...

      さてさてどうなるでしょうね!
      まだ決まってないのが答えですが...

      • 39 通りすがりのLINK 2017-04-15 02:42:30 BzLd9I125qsKaMZ

        >>35

        なるほど…楽しみに待ってます

  • 33 彦星七 2017-04-14 18:02:54 4bdNIenJ7VAEQfa

    羽が地に落ちた。
    空を舞う英知を超えたのだ。
    天の雷電を地に下ろした英知が、空を制したのだ。

    ニコラ・テスラを失ったのは大きい。
    だが、彼のおかげで目の前の脅威が消え去ったのも事実だった。

    『マスター...!後ろです!先ほどのライダーと同じ反応があります!』
    マシュが叫んだ。
    慌てて後ろを見る。
    確かに先ほどの男と似たような男が立っていた。兄弟のもう片方に違いない。
    だがアンとメアリーと同じように、テスラが兄弟の片方を下したため、目の前の男も光になりつつあった。
    「兄さんの無念...最後にもう一度果たす...」
    どうやら今、目の前にいるのは弟、オーヴィル・ライトのようだった。
    「俺達は飛ぶ...!羽ばたく...!飛翔する...!果てしなく!『天に広げし開拓の翼(ライトフライヤー)』‼︎」
    目の前のオーヴィル・ライトが宝具を展開しようとしている。だが先ほどテスラが宝具を下したはずだ。もう不可能のはずだった。
    だがその真偽を確かめる前にことは終わりを告げた。
    「Mr.テスラ。貴方との最後の約束、しっかり守ります。」
    マンテルが迷いなき目でオーヴィル・ライトを捉える。
    そして...
    「真名解放。『轟け、太古の咆哮(ロストワールド)』!」
    その掛け声と同時に大地が揺れ、地響きが鳴りる。
    そのまま恐竜の大群がオーヴィル・ライトに突撃する。まさに蹂躙だった。
    踏まれ轢かれ跳ねられ...
    「くそぉおおおっ....‼︎」
    恐竜に跳ねられ、近くのビルの壁まで飛ばされたオーヴィル・ライトの最後の声だった。

    無念...

    その気持ちが肌で感じられる雰囲気の中、空に羽ばたいた偉人は今回のフライトを終えたのだった。

  • 34 はなの魔術師 2017-04-14 18:59:24 Pkm1xu0gGXf91ad

    今回も執筆お疲れさまです
    消滅すると知っても尚宝具を使うその姿は自らの発明に対するプライドがあったのかもね……さよなら雷の開拓者達と空の開拓者達

    あと……この作品を読んでると尚更テスラが引けなかった後悔がガガガガ

    • 36 彦星七 2017-04-14 21:37:27 4bdNIenJ7VAEQfa

      >>34

      ありがとうございます!

      誇りをかけた戦いですからね!
      だからかっこいいのです!

      僕も引けませんでした...

      • 37 はなの魔術師 2017-04-14 22:10:55 Pkm1xu0gGXf91ad

        >>36

        あらら、お互い残念な結果でしたね…
        本音を言うと……ここでのテスラが格好良かったから…本当に引きたかったんですよね(苦笑)

        まあ、でももうお迎え出来ない訳ではないのでお互いに次の機会に賭けるとしましょう!
        また、次のお話も楽しみにしてます! 頑張ってください!彦星さん

        • 38 彦星七 2017-04-14 23:11:14 Ikd7LJQ504XFJQa

          >>37

          お互い残念でしたね...
          でもそう言っていただけると感謝しかありません...‼︎

          そうですね!
          ありがとうございます!頑張ります!

  • 40 彦星七 2017-04-17 18:35:17 Ikd7LJQ504XFJQa

    「なるほど...あの2人もカルデアのマスターには敵わなかったと言うことか...」
    梅田の中心から離れたビルの屋上庭園。以前と同じように物理学者が夜の夜景を見下ろしていた。
    「残ったのは君と私だけと言うことだ。」
    以前と同じようにベンチに座りながら培養皿を眺める医者に言った。
    「確かにそうだが...どうだね?聞くにあの2人はニコラ・テスラを道連れにしたと聞くじゃないか。」
    培養皿の中に目を細めながら、医者は続けた。
    「天才のアンタにとっちゃ脅威だったのは、アンタに匹敵するような天才のテスラの頭だ。それが消えたとあれば、もうアンタの実験を止めるものはいない。」
    医者の言う通りだった。天才物理学者の最終計算を止めうるのは天才でしかない。
    「確かにその通りだ。もはや私の実験は成功したも同然だ。ニコラ・テスラが我々から早々に離反した時は焦ったが、その心配ももう消えた。だがやはりあの男は私の実験、最終計算を見抜いていたか...」
    天才物理学者は今は姿を消した天才に疑問を呈した。
    「いや、案外単純かもしれないぞ。単にエジソンと組むのに嫌気がさしただけかもしれない。」
    確かに医者の言う通りかもしれない。
    だがあの天才が脅威だったのも事実である。
    「まぁ、どちらにしろ私の実験は成功に近づいたのである。これは喜ぶべきことだ。」
    光り輝く夜景を見下ろしながら言った。
    「だが君は良いのかね?私の実験が成功すると君も終わることになるのだが?」
    天才物理学者の素朴な疑問に対して医者はすぐに答えを用意した。
    「私は別に構わない。いつ消えようが関係ないさ。ただ、消える前にこのブドウ球菌君が面白くなれば良いぐらいだね。」
    培養皿を掲げながら医者は言った。
    「ふっ...よくわからないが、君がそれで良いなら私も構わない。」
    「何を言うかと思えば...あの兄弟は気付いていなかったようだが、私達を召喚したのは他でもないアンタだ。マスターを気取るつもりはないのだろうが、やりたいことぐらいは私にもわかる。多分エジソンも気付いていたに違いない。」
    医者は培養皿から目を離さずにそう言った。
    「お見通しだったかね...私もまだまだだったか...」
    天才はそう言ったが、医者の考えは違った。
    「隠す必要はないだろう?アンタの好きにしてくれて良い。」
    培養皿から目を離して医者は言う。
    「なに、アンタほどの天才なら問題ない。自信を持つんだ。アンタならできるさ...アイザック・ニュートン...アンタならな。」
    医者は天才物理学者を激励の言葉で締めくくったのだった。

  • 41 お団子の旅団団長リオ☆ 2017-04-18 10:58:03 Li2ZW4nDuPqZpbo

    執筆お疲れ様です!クオリティ高い…!あとこれ読むとテスラ博士が欲しくなってしまうんじゃがががが(笑)

    • 42 彦星七 2017-04-18 17:11:19 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>41

      ありがとうございます!
      そう言っていただけると励みになります!

      書いててもテスラがどんどん欲しくなります!引けないのがオチですが...

  • 43 彦星七 2017-04-18 19:40:11 Ikd7LJQ504XFJQa

    沈黙が喫茶店を覆っていた。
    昨日まで大声で自信ありげな言葉で語っていたニコラ・テスラはいなくなった...
    これまでの特異点でも多くのサーヴァントと様々な別れをしてきたが、それに匹敵するレベルで今回の別れを惜しんでいた...
    マンテルも俺も言葉が無かった。
    テスラのおかげでライト兄弟を撃退することには成功したものの、その代償はあまりにも大きすぎた...


    一方のカルデアでもその悲痛な状況は同じだった。
    マシュはマスターを思ってか、俯いて一言も喋らなかった。流石のダ・ヴィンチちゃんも軽口やジョークを言って場を緩ませるような勇気が出なかった...
    その管制室に1人の男が足を踏み入れた。ゆっくり入ってきたかと思うと、その管制室とモニターに映る喫茶店の様子を一瞥して一言...
    「つまらん!ファラオたる余を前にしてその醜悪な姿を晒すか!」
    太陽王オジマンディアス。堂々たる王であり、輝ける古代王の1人である。
    何をしに来たのかは知らないが、明らかに不機嫌だった。
    「興味があって来てみたらこの醜悪ぶり。ファラオたる余を前にしてその死人のような顔を見せるとは愚か者どもが!」
    そう罵ると管制室の空いてる席に座った。
    「余はこの様な醜態を見に来たのではない!余を召喚せしむマスターの活躍の様を見に来たのである!英知とやらが余を動かしたのである!」
    どうやら完全に観客、野次馬として来たらしい...
    「友を失った。なるほどその痛み、察しよう。だが、余を召喚せしむマスターはその様な事で挫ける惰弱な者ではない。ここで再びその勇姿を見せる者である!」
    太陽王はそう言うと、座席にどっしりともたれかかった。


    オジマンディアスにいきなり怒られた...
    なぜいるのかはわからないが、王の言葉は確実に痛いところを突いてきた。
    このままではいけない...
    そんなことを考えた時だった。

    ドンッ‼︎‼︎

    喫茶店が揺れた。
    この喫茶店は地下にあるから、ここまでの揺れは地上で相当なことが原因になっているに違いない。
    太陽王の言う通りだ。
    ここで止まり続けるわけにはいかない。
    「行こう!」
    マンテルに声をかける。
    それだけで十分だった。
    マンテルも石を握りしめ、再び立ち上がる。
    こうなれば、もうあとは動くだけだ。
    「感謝します。名前を知らないカルデアのサーヴァントの方。」
    マンテルが太陽王に礼を言う。
    『太陽王オジマンディアスである。その不敬、今は許す!』
    カルデアにいる太陽王の声は先ほどに比べて上機嫌になっていた。
    そして俺たちはそのまま地上に駆け上がった。


    「それで良い!それでこそ余のマスターたる者よ!ふは...ふははははははは!!!」
    カルデアの管制室の座席で太陽王は高笑いした。
    「あの...オジマンディアスさん...」
    マシュが恐る恐る尋ねる。
    「気にするな!今はマスターの活躍ぶりを余に献上することを許す!」
    ダメだ。完全に王の興味に触れてしまったみたいだった...
    「ダ・ヴィンチチャンみたいな者が多くいると耳にした!」
    この人は英知を玩具か何かと勘違いしているのじゃないかと思うマシュだった...

  • 44 はなの魔術師 2017-04-18 20:54:45 t0qx2xshrFFb6Z

    執筆ごくろうさまです!
    あらためて凄まじいテンションおう…太陽王様だね(苦笑)
    内容はどうあれ結果としてはいい方向に導いたのだからカリスマ持ちというの伊達じゃないんだね〜

    …さて、私もアヴァロンでファラオに認められた勇者であるファラ男くんのこれからの雄姿を眺めてるとしようか…

    次回の話もたのしみにしてますね!彦星七さん

    • 45 彦星七 2017-04-18 22:04:14 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>44

      いつもありがとうございます!

      いきなりオジマンディアスが登場してなんだ⁈と思われたかもしれませんが、太陽王登場は最初から決まっていたことですし、太陽王も真面目にストーリーに必要なキャラになってくるのでご安心を。

      ありがとうございます!
      頑張ります!

  • 46 彦星七 2017-04-20 19:41:56 Ikd7LJQ504XFJQa

    地下街を抜けて地上に出てみる。
    相変わらず人は少なく、ロボットが無数に起動していた。
    そして道の中央では2騎のサーヴァントが戦いを繰り広げていた。
    片方は何時ぞやの英国紳士であった。時折謎の光を発しながら防戦を続けていた。
    もう片方は白衣を着た若い見た目の青年だった。だがその見た目とは裏腹にどこか不思議な経験の豊富さを漂わせていた。明らかに医者の風貌のその男はトラップのようなものを仕掛けているらしく、英国紳士を動くに動けない状況にしていた。
    「助けよう!」
    もちろん対象は英国紳士である。以前ライト兄弟と戦っていた時に助けられた恩がある。ここで返さずにはいられない。
    「了解。戦闘を開始しよう!」
    マンテルがイグアノドンとメガロザウルスを場に出現させる。そしてそのまま2体の恐竜を医者めがけて突撃させた。
    「おや!本命のお出ましかね!」
    医者は俺たちを視界に捉えると、少し後退し距離をとった。
    「カルデアのマスターが本命ですか。ということは私は不要だったということになりましょう。残念です。」
    英国紳士は笑いながらそう言った。
    「いやいや、君たち全員が危険因子であることには変わりはない。彼の最終計算のためにはね。」
    医者は俺達全員を眺めながら言った。
    「最終計算?なんだそれは?」
    謎の単語が飛び出してきた。あまりに不明すぎる単語だったので思わず叫んでしまった。
    「おや?まだ知らなかったかね。まぁ、あの天才ことだ。そこらへんはぬかりないのかもしれないな。」
    医者は相変わらずよくわからないことを言っている。
    天才?誰のことだ...
    「つまり貴方はその天才の最終計算のために尽くしているということかな?」
    マンテルが医者に問うた。
    「その見方で相違ないね。もっとも、請われたわけでもない。私が好きで彼の手伝いをしているだけだが。」
    全てを知っている風にその医者は言った。
    「最終計算ってなんだ?」
    全ての謎の元凶。その単語について医者に尋ねてみる。
    「なるほど、確かにそれは疑問に思うだろう。だがそれは言えないな。別に彼から口止めされているわけでもないから教えても良いが、私がそれは好かない。」
    医者は微笑みながらそう言った。
    「かの天才は君たちをどう思っているかは知らないが、私は君達を買っている。君達ならば真実にたどり着くと信じている。」
    医者はそう言葉を締めくくった。
    確かにそこまで教えてくれるほどお人好しでもないか...
    だがもう1つ気になることがある。
    「天才って誰だ?」
    そう。医者の言っている天才とは誰なのか...それさえわかれば少しでも...
    「はっ...はははははは!!!大胆に訊くものだな!」
    医者は大笑いしながらそう言った。
    確かに向こうの言い分は当然だった。敵の大将の真名を教えてくれと言っているのだから。
    「だが良い!知ったところで結果は変わりはしないだろうから特別に教えてあげよう!」
    医者は相変わらず笑っている。
    「天才の名はアイザック・ニュートン」
    医者は確かにそう言った。
    衝撃的な名前だった...
    マンテルも英国紳士も驚きの顔を見せている。当然だ。ニュートンの名前を知らない者はいないだろう...
    「さて、お喋りはここまでにしよう。」
    医者はまっすぐ俺達を見つめた。
    「どうする?戦うかね?私としては問題ない。ただカビをばら撒けば良いだけだし、すでにある程度しかけている。」
    医者はそう言った。くっ...宝具か何かなのか...
    だが横のマンテルは違うところに反応していた。
    「カビ...?」
    流石にカビを知らないわけがないだろう...すると別のことに引っかかったのだろうか...
    「数では君達の方が多いだろう。だがどうかな?そこの恐竜は戦闘状態ではないみたいだが?」
    言われて気が付いた。イグアノドンとメガロザウルスは医者ではなく後方の大空を見ていた。どこか怯えている風にも見える。
    「さて、こんな状況では戦いにもならないだろう。私もブドウ球菌君が待っているからあまり時間をかけたくはない。」
    医者は言葉を続ける。
    「お互いにここは退かないかね?君達にも利がないことはないはずだ。」
    確かに医者の言う通りだ。頼みの恐竜が謎の怯えを見せている。これではろくに戦えない。
    俺は無言で頷いた。
    「よろしい!では諸君、御機嫌よう!」
    医者は立ち去った。
    俺はただその医者の背中を見ることしかできなかった。
    だが横のマンテルは違った。マンテルも医者である。気付くところがあったのだろう。こう言った。
    「フレミング...あの男はアレクサンダー・フレミングです。」

  • 47 彦星七 2017-04-21 21:10:15 6DN9GXeaGMgmPjc

    無事に喫茶店まで帰還した。
    『お疲れ様です、マスター。』
    「うん、ありがとう...」
    マシュの言う通りだ。本当に疲れた...
    とりあえず今回得た情報量が多すぎる。一気にこの梅田の仕組みが丸裸になった感じだった...
    だがそれよりも第一に...
    「貴方は誰ですか?」
    喫茶店のカウンター席に座る男。先ほどの戦闘で一時的とはいえ共闘した、英国紳士然とした男だった。
    「なるほど...確かに私も貴方がたに敵対するつもりはないのでお教えしても問題はないでしょう。私の中の少年王も異議を申し立ててはおられません。」
    かぶっていた帽子をカウンター席に置いて英国紳士は言った。
    「私の真名はハワード・カーター。記憶の端にでも置いてくだされば光栄です。」
    ハワード・カーター。それが英国紳士の名前だった。
    『ハワード・カーターさんって確か...』
    マシュが思い出すように呟いていた。
    『そう。イギリスの考古学者だね。ツタンカーメン王の墓を発見した人物として有名だ。』
    ダ・ヴィンチちゃんが解説を入れた。
    『だけどよくわからない...カーターは英霊になれるような人物ではないはずだ...いたって普通の考古学者のはずだが...』
    確かにこれといった逸話があるわけではない。ダ・ヴィンチちゃんの言う通り、普通の考古学者だった...
    そのようなことを疑問に思っていた時だった。
    『ふは...ははははははははははは!!!!!!』
    突如として太陽王の高笑いが聞こえた。
    『オジマンディアスさん...⁈』
    マシュがカルデアで慌てているのがよくわかった...
    『考えたな!ツタンカーメン!ファラオの力をそのような者に渡すことは許されることではないが、貴様ならあり得よう!』
    太陽王の言っていることがよくわからない...
    「つまりカーターさんの中はツタンカーメン王ってこと...?」
    よくわからなかった...
    『あー!そういうことか!それなら納得だ!』
    ダ・ヴィンチちゃんが理解したかのように声をあげた。
    『つまりこういうことさ。ツタンカーメン王は歴代のファラオの中でも知名度は高い。今隣にいるオジマンディアス王や征服王イスカンダル、そして最後のファラオクレオパトラに匹敵する知名度を誇っている。知っているだろう?』
    ダ・ヴィンチちゃんが説明を始める。
    『余を超えるファラオは後にも先にも存在せぬ!そこを違おうものならその首、即座に消し飛ぶとわきまえよ!』
    『オジマンディアス王...あくまで知名度の話ですから...』
    マシュが太陽王を必死になだめていた...
    『まぁ、ちょっと脱線したけど、ツタンカーメン王は知名度では最高の部類さ。だけど、知名度だけでは戦えない。太陽王のような力を持っていれば別だけど、あいにくツタンカーメン王は早世した。』
    ダ・ヴィンチちゃんの説明は続いた。
    『英霊としてはやっぱり限界がある。そこでツタンカーメン王は自身の墓を発見したハワード・カーターに頼んだ。自身の力の拠り所として。双方、英霊としてはいまひとつ足りないところがあるけれど、協力しあうことで一騎のサーヴァントとして成立したということさ。』
    つまりそういうことらしい。要するに孔明に似た感じだと考えれば問題はないみたいだ。
    「つまりそういうことです。私の力や能力は少年王のもので、意識は私のものです。もっとも、少年王の考えも尊重しておりますが。」
    カーターが答えた。
    「なるほど...ところで話は変わるけど...」
    英国紳士の正体がわかれば次にすることは決まっている。
    「俺達と一緒に戦ってくれますか...?」
    味方は1人でも多い方がいい。恐る恐る聞いてみた。
    「なるほどやはりそうなりますよね。」
    英国紳士は頭をかきながら言った。
    「なるほどこれは私1人の問題ではないですが...どうやら私の中の少年王は貴方がたに協力したいと仰っております。優しいお方ですから。」
    カーターは帽子を取り上げた。
    「よろしい、ならば私も貴方がたと共に戦いましょう。キャスター、ハワード・カーター...いえ、キャスター、ツタンカーメン。よろしくお願いいたします。」
    また1人協力者が増えた瞬間だった。

  • 48 彦星七 2017-04-24 21:58:27 Ikd7LJQ504XFJQa

    「じゃあ次は例の最終計算について考えよう。」
    マンテルが提案をする。
    異議はない。何よりも阻止すべきはニュートンの最終計算というものである。それについて知らなければいけない。
    『アイザック・ニュートン...と言えばやっぱり万有引力の法則でしょうか...』
    マシュが考察する。確かにニュートンで1番有名なのは万有引力の法則だけど...
    『どうだろうね...とりあえずニュートンがしたことが多すぎる。私ほどじゃないんだけどね。』
    はいはい...ダ・ヴィンチちゃんの最後の発言は置いておくとして、それ以外は事実だ。ニュートンの発見した定理、法則は多い。そしてそのどれもが宝具となってもおかしくはないものだった...
    「うーん...手がかりがないなんてどうすればいいんだ...」
    思わず頭を抱えてしまう。
    まったくわからなかった...
    「あと気がかりなのはMr.マンテルの恐竜が戦闘状態でなかったことでしょうか...」
    カーターが指摘する。
    確かにあの時、恐竜がどこか怯えている風な様子も気がかりだった...
    『余の威容に太古の生き物と恐れをなしているか!ふは...ふははははは!!!』
    口では言えないものの、絶対にカルデアの太陽王に恐れをなしているとは思えない...
    別の何かだ...
    「確かにあれは不自然だった...草食恐竜のイグアノドンはまだしも、肉食恐竜のメガロザウルスも怯えていた。」
    なるほど...確かにマンテルの言う通りだ。肉食恐竜が怯える理由はよくわからない...
    「どちらかと言うと、的に怯えていたと言うより、噴火だとか隕石だとか自然現象に怯えていたと言う方が...あっ‼︎」
    「あっ...!」
    自然現象...!
    それなら恐竜が本能で怯えてもおかしくはない!そして自然現象を引き起こすことが、ニュートンの目論見だとしたら、それは『最終計算』としてあまりにも相応しすぎる...
    「ダ・ヴィンチちゃん‼︎」
    『わかっているとも!今調べているところさ......出たよ...ってなんだ⁉︎こんなのあり得るはずがない‼︎⁉︎』
    ダ・ヴィンチちゃんが驚愕の声を上げた。声からして深刻な事態であるのは簡単に見て取れた。
    『隕石だ!隕石が接近している‼︎しかもこの予測軌道はそのまま梅田に落ちる‼︎』
    「なっ...⁉︎」
    言葉も出なかった...梅田に隕石が落ちる...そんなバカなことが...
    「まさか、これがニュートンの最終計算⁉︎」
    その結論に達するのに時間はかからなかった...
    『そうだろうね...他にニュートンについての情報があればいいけど...』
    確かにほとんど黒だけど断定はできない...
    ニュートンについて何か...
    「あっ...」
    それらしいことがあった...
    「ねぇ、マンテル。最初にライト兄弟と戦った時、体が動かなかった時があったよね?カーターに助けられた時...」
    「えぇ。ありましたね。体が重い感じが......あっ...まさか...⁉︎」
    そう...そのまさかかもしれない...
    『まさかライト兄弟と最初に戦った時にマスターとマンテルさんが動けなくなったのは、ニュートンの攻撃だったと言うことですか⁈』
    そう、マシュの言う通りだろう。
    『つまり...重力...いえ、引力を自在に操ることができると...⁉︎』
    「そう考えるのが1番だろうね...」
    マンテルも同意する。疑いようはなかった...
    『待った!それなら完全に説明がつく!隕石が梅田に落下しようとしてるのも、ニュートンの引力を操る攻撃だとしたら...』
    ダ・ヴィンチちゃんの言うことが真実だった...

  • 49 はなの魔術師 2017-04-24 23:19:57 t0qx2xshrFFb6Z

    隕石か……これまたスケールの大きな話だねぇ…
    確か恐竜が滅びたのも超巨大隕石の衝突という説が有力だった訳だし…本能で恐れを抱いたんだね
    何だか…先週クリアした新宿みたいな展開だが…おそらく全然違った物語になっていくんだろうね……いい意味でここから先の展開が読めなくなってきたぞ

    今回も執筆お疲れさまです!!彦星七さん
    偉そうな言い方かもしれないですが次の話にも期待してます頑張ってください!

    • 50 彦星七 2017-04-25 09:08:02 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>49

      ありがとうございます!

      スケールの大きさで言えば隕石はもってこいですからね!
      新宿とは似て非なる作品になると思います!

      これからも頑張ります!

  • 51 彦星七 2017-04-25 21:55:02 Ikd7LJQ504XFJQa

    梅田に隕石を落とす...
    それがニュートンの最終計算だとしたらその動機が不明だ。そんなことをしようものならこの梅田が崩壊するのは目に見えている。そこまでしないといけない理由がニュートンにはあるのだろうか...
    そのことを考えていた時だった。

    プルルルル、プルルルル!

    電話が鳴った。
    「グワーン...プシュー...カルデアのマスターよ...!」
    圧倒的な機械音、蒸気音。他でもないチャールズ・バベッジだ。
    バベッジは梅田のどこかで情報収集をしているってことだったけど、正直なところその存在自体を忘れていた...
    「待たせてすまない...真実を伝えよう...!プシュー‼︎」
    いつもより蒸気の放出量が多いような気がした...

    ...

    「えぇっ‼︎⁉︎この梅田は救う必要がない⁈」
    思わず叫んでしまった。
    「その言い方では語弊がある...救うのは良いが、救う必要もないということである...プシュー...!」
    バベッジの言っていることがよくわからない...
    「つまりそれはどう言うことかな、Mr.バベッジ?」
    マンテルも同様だ。
    喫茶店の中に、真実にたどり着いた者はまだいない...
    「説明しよう。この梅田、まわりに人は存在するか?」
    バベッジが問うてきた。
    「うぅん...ほとんどロボットだよ。」
    人という人があまりいない街。代わりにロボットが多く駆動している街だ。
    「つまりそこに真実がある。簡単に言うと、この梅田は意図的に作られた世界である...プシュー‼︎」
    衝撃が走った...
    作られた世界だって...⁉︎
    『待った!それだと前の贋作英霊の時やハロウィンの時のような感じだって言うのかい⁉︎』
    ダ・ヴィンチちゃんが叫んだ。
    「その世界が我には不明であるが、その見方で相違ない。ニュートンが聖杯のかけらでも握ったと推測される...プシュー!!!」
    バベッジが受話器の中からそう答えた。
    「と...となりますと、ニュートンは本当に...単に実験をしているだけでしょうか...」
    カーターが指摘する。だけど本当にそうみたいだ...
    自分で実験場となる世界を作り出し、ただ希望通りの実験をしているだけだ...
    「そうなるとニュートンは自分で作った世界を自分で潰してると言うだけになるね...もっとも、それもどうかと思うんだけど...」
    マンテルの言う通りだ。壊すために世界を作るっておかしいと思う。
    『確かにそれなら無理して救うことはないと思うけど...』
    『マスターはだからと言って放置するような人ではありません!』
    ダ・ヴィンチちゃんの呟きを即座にマシュが否定する。
    その通りだ。
    この梅田は人がほとんどいないとはいえ、ゼロではない。そんな人達を意味がないからといって見捨てることはできなかった。
    「マスターがそう考えるなら、私はそれに従うつもりだよ。私自身も、なぜここに召喚されたのか気になって仕方がないからね。」
    「私も、私の中の少年王も異存はありません。むしろ少年王はこのような世界を見捨てることができないお方です。」
    「2人とも...」
    マンテルもカーターも賛同してくれた。
    こうなったらとことん最後までやってやる!
    「では、諸君。ニュートンの場所のデータをカルデアに送る。活用したまえ。」
    バベッジが電話越しにそう言った。
    「ありがとう、バベッジ!」
    「問題ない。私も時が来たら加勢に向かおう...プシュー...!」
    蒸気音がしたかと思うと、電話が切れた。
    『マスター!バベッジさんからデータが送られてきました!いつでもいけます!』
    マシュが画面越しに叫んだ。
    「隕石の落下予定時刻は⁈」
    時間があるのかないのか...
    『私の見立てだと明日の夜だ。だいたい今から24時間がリミットだと考えたほうがいい!』
    ダ・ヴィンチちゃんが言う。
    24時間...猶予は少ないようだ...
    「よし。時間はないようだから、マスターのバイタルチェックをして、十分回復したら行こう。」
    マンテルの提案を受け入れる。今日も一戦しているから、すぐの再戦は危険すぎる...
    とりあえず休むときは休もう...
    そして...
    ニュートンの実験を止めてみせる!
    『ふは...ふははははは!!!存分に余を楽しませるが良い!その時は褒美をやろう!』
    太陽王の声が聞こえた。どうやらやる気の人はカルデアにもいるらしい...

  • 52 はなの魔術師 2017-04-26 07:22:48 oLkMKIgxDYh0YwX

    あ……そういえばバベッジくんもいたな……普通に忘れてたよ(苦笑)
    …次は最終決戦だね……シナリオの中でも一番盛り上がる所だし、楽しみにしてます!!
    今回も執筆ごくろうさまでした!

    • 53 彦星七 2017-04-27 09:35:42 Ikd7LJQ504XFJQa

      >>52

      バベジンは出そう出そうって思ってて、タイミングがなかったんですよね...

      いよいよ最終決戦です!
      ありがとうございます!

  • 54 彦星七 2017-04-28 20:14:19 Ikd7LJQ504XFJQa

    バベッジが示した地点に急ぐ。
    地下道を走り抜け、地上に上がると確かにそのビルはあった。
    ダ・ヴィンチちゃん曰く、そのビルの屋上には空中庭園があり、そこにニュートンがいると見て間違いなかった。
    そのビルに入ろうとする。
    しかしビルの入り口に1人の男が立っていた。不気味な経験の豊富さを感じさせる青年。アレクサンダー・フレミングだ。
    「なるほど!その様子だと真実に達したと見える!」
    「フレミング...」
    「おや!私の真名を見抜くとは!やはり私が期待した通りだ!」
    フレミングは上機嫌だった。
    「Mr.フレミング、そこを通してくれませんか?」
    マンテルが期待せずに尋ねる。
    「残念ながら私もそこまでお人好しではないのでね!」
    流石にその通りだろう。
    どいてと言って何処かに行ってしまう敵なんて見たことがない...
    「だったら意地でも...!」
    マンテルが恐竜を数体召喚する。
    戦闘準備完了!
    あとは攻めるだけだ!
    「さて、いつでもどうぞ?」
    えっ...?
    いつでもどうぞだって...?
    その言葉は向こうも迎撃準備ができたということだろうが、見る限りフレミングに変化はなかった...
    「以前も言ったと思うが、私はカビをばら撒くことができてね。連鎖的にトラップみたいな感じでばら撒くことも可能なのだよ!ほれ、この通り!」
    フレミングが指を鳴らすと、近くにいたイグアノドンが悶え苦しみだした。毒を盛られたみたいな様子で倒れた。
    「元来カビというものは生体によくはないものでね!」
    フレミングは高らかに言った。
    なんてことだ...
    カビをばら撒くことで、身体を蝕んでいくなんて...
    「私の宝具ならばカビを防ぐことはできますが...しかし...」
    カーターが苦々しそうに言った。
    「君の宝具は非常に厄介だ!以前戦闘した時も、まったく私のカビが効かなかった。王を守った黄金マスクを甘く見ていたようだ。」
    聞いたことがある。ツタンカーメン王の黄金マスクは不腐食効果があったみたいだ。なるほどそれが宝具となれば、確かにフレミングのカビを防げるかもしれない!
    「だがそれは君が1人だからである!君達全員を守ろうとすれば長くは持たないだろう!連鎖的にカビをばら撒くことができる私の勝ちということだ!」
    フレミングが高らかに言った。
    なるほどカーターが苦い顔をしているのはそういうことか...
    一撃は防げても、連鎖で来ると時間的に持たないのだ...
    つまりは全てのカビの連鎖を一瞬に発生させることが必要となる...
    「つまり不可能ということだ!諦めたまえ!」
    フレミングが言ってくる。
    「ふざけるな!」
    諦めたくはない。反応的に叫んだ。
    こんなところで何もせずに諦めたくはない...
    「威勢は結構だが、不可能である!」
    フレミングが断言した。
    その直後だった。

    「否!不可能などはない!」

    その叫びが聞こえたかと思うと、俺たちの目の前に雷が落ちた。
    雷と共に着地した男を俺は知っている。
    雷電を右腕に纏い、紺色のスーツに身を包む紳士。自信満々なその言葉に何度助けられてきたことか...

    雷電降臨!

    どんな奇跡が重なったのだろうか。その男は確かに俺達の目の前に立っていた。
    「瞬間的に駆けのは雷電である!ならばその連鎖、我が雷電を駆け巡らす!」
    その男は相変わらず自信満々だった。
    「諸君!御機嫌よう!これより天才の一端をお見せしよう!」
    その男は自信満々な笑顔で俺達の方に振り向いた。
    「ニコラ・テスラ。復活である!」

  • 55 はなの魔術師 2017-05-06 00:24:56 QwNEY6lT2va9SK7I

    返信遅れましたが今回も執筆お疲れさまです!
    こう……キャラの復活シーンは総じて胸熱な展開ですね!
    個人的に大好きです!……テスラがめっちゃ格好いい…これを読むとまた欲しくなってくるね(苦笑)

    あ、これは余談ですが鈴鹿ちゃんのお迎えおめでとうございます!育成も頑張ってください!

    • 58 彦星七 2017-05-06 21:53:23 f643h2utxg7rYoU

      >>55

      いつもありがとうございます!

      やっぱりテスラを殺すことはできませんでした!
      かっこいいですもん!

      鈴鹿御前ありがとうございます!
      頑張って育てます!

  • 56 彦星七 2017-05-06 21:49:47 f643h2utxg7rYoU

    「ば...馬鹿な!なぜ君が生きているのだ⁈」
    1番驚嘆しているのはフレミングだった。
    「ははっ!天才は不滅なのだよ。もっとも私も死んだものと思っていた。だが認めたくはないことではあるが、凡骨がMr.バベッジに私のことを頼んでいたようで、その結果Mr.道三によって救われることになった。まさかあの凡骨に救われるとは思ってもなかったがね!」
    テスラが堂々と答えた。
    でもまさかそんな経緯があったなんて...
    「凡骨...エジソンか⁈くそっ...エジソンめ...なぜ我々を裏切るような真似を...」
    フレミングが苦々しそうな顔を見せる。
    「信頼の話ではないかね?凡骨を信頼する気はないが、それでも私と同じ時代に競い合った男である。凡骨にしてはよくできたことだが、生前に会ったこともない君達よりはマシと見たのではないかね?どうやらMr.バベッジ曰く、エジソンはそこのマスターに迷惑をかけたことを詫びていたようだ。罪滅ぼしのつもりなのだろう。」
    まさかエジソンがそんなことを...
    「な...なぜだ...このようなことがあるわけがない...‼︎」
    フレミングが狂ったように叫ぶ。
    「どうしてだ!なぜ君は我々に刃向かおうとするのだ⁉︎」
    「それは私のマスターに訊いてみてはどうかな?」
    フレミングの怒りの叫びを、テスラが俺に振った。フレミングの鋭すぎる目が俺を睨む。
    「ならば君に問おう!なぜ我々に刃向かう⁈」
    フレミングの叫びが俺に問う。なぜ...言葉にできないけど、止めないといけないと思ったからだ。
    「我々を理解できないのか⁈我々の英知が理解できないのかね⁈」
    フレミングがさらに問う。
    そんなことはない。ライト兄弟にしてもニュートンにしても、もちろんフレミングにしてもその業績は偉大すぎると俺でもわかる。
    「ではなぜ我々に刃向かう⁈そちらについて何があるのだ⁈我々に比べると人智に貢献度の低い英知だ!何が良いのだ⁈」
    フレミングが俺を鋭く睨む。
    俺がマンテル達と協力する理由...
    確かにフレミングの言う通りだろう。
    恐竜を知らなくても今のような快適な生活を送ることができる。ファラオツタンカーメンを知らなくても今のような快適な生活を送ることができる。
    それでもマンテル達と一緒にいる理由...
    あんまり複雑な答えは出せない...
    単純に感じたことを言った。

    「だって楽しいから!恐竜とか黄金のミイラとか見てて楽しいから!」

    そう言ってやった。

    • 57 彦星七 2017-05-06 21:52:03 f643h2utxg7rYoU

      >>56

      すみません、誤字しました。

      黄金のミイラ→ミイラの黄金のマスク
      です。

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