テスト、第7特異点戦闘SS

テスト、第7特異点戦闘SS
  • 1 ヘタレイ王 2017-03-23 10:39:09 BROPdeRvmUU4iuAR

    ティアマト戦SS


    大地を…否、世界を震わせる巨駆を見上げマスターは静かに息を飲む。
    ティアマト…人類悪が一柱、回帰の理を孕む第2の獣。
    冥界に墜ちて尚、朽ちず。
    山の翁に斬られても尚、死せず。
    花の魔術師が変換させ続けても尚、増殖する怪物。

    此こそは魔術王自らが楔として打ち込んだ最強の敵。
    此こそは人類史を食い潰す最悪の魔性。

    そして…それに立ち向かう英霊は最愛の相棒、だけではない。

    『世界の行く末を賭けた闘い…これを決戦という』
    『終わらせよう…迅速にな』
    『武装完了…行きます、先輩』

    慢心を捨て、一切の死角を排した英雄王
    人の限界を越え、皆殺しの獣と化した大英雄

    マシュと二人きりで歩いてきた旅の果てに縁を繋いだ最強の英霊。
    立ちはだかる存在はこれ迄の敵を遥かに上回る最強の敵。破滅の運命その物とも言えるだろう。

    しかし自分達が歩んできた軌跡はー決して消せない

    『クー、矢避けの加護を、マシュは雪花の壁を展開!王様は露払いの後に魔力を貯めて‼』
    『あぁ…』
    『ステータスアップ…これで耐えます!』
    『酔狂とは言うまい』

    マーリンとエレシュキガルの加護を受けた狂王が空を駆ける。
    対するはティアマトの子供…ラフムの軍勢。未だに圧倒的な数を以て蹂躙を開始せんと羽ばたきー

    『斬り落とす‼』

    膨大な数を誇るのはラフムだけではない。
    無限の財と謳われし星の庫から放たれる原典の輝きが闇を払う。切り裂き、穿ち、潰し…あらゆる手段で蹂躙されていく異形の怪物達。
    しかし仲間の損害など魔物は気にも留めない。
    進撃の速度は緩まず、王の財宝から逃れたラフム達が牙を剥きー

    『殺戮だ…残さずな』

    その魔槍は眉間を貫き、獣の腕は腹を裂く。
    両腕の暴威を回避した幸運は尾の一振りに砕かれる形で精算される。

    異形の怪物ーとは言うまい。
    元より彼の力は人智を越えている。単騎で戦場を引き裂き、その咆哮は魂を凍らせる。
    戦場王と畏れられし大英雄…在り方を歪められようと、その力は損なわれない。

    ティアマトは自身に迫る小さな者に困惑を禁じ得ない。
    余りに小さな命だ。
    人間と英霊など彼女にとっては大差無い。
    蹂躙されるだけの憐れで愛しい無力な存在に変わりない。

    それなのに何故…彼らは止まらないのか。

    吐き出される生命の泥は幻想的な花に変換され届かない。
    自分の胎内より生まれでる子供達は黄金の刃と粛正の大剣に墜とされていく。

    格なる上は肉弾戦のみ、圧倒的な質量の差は時に神秘をも駆逐する。
    ティアマトの頭部が振るわれ山のような規模の角がたった一騎の英霊に向けられるー

    『ーーーガンド‼』

    寸前、僅かな妨害が入る。
    絶大な耐魔力を誇る彼女に現代魔術など効果はない。
    精々10分の1秒にも満たない刹那、そんな時間差は何も意味を為さないー筈だった。

    『よくやった』

    10分の1秒、それさえあれば彼には十分だった。
    迫り来る脅威に自分から突っ込み、それを伝って狂王は辿り着く。

    ティアマト本体、その中枢たる頭部に!

    『最早寝覚めは必要あるまい…』

    18のルーンが狂王の肉体を更なる高みへ引き上げる。
    自身の損壊も厭わず放たれる1刺こそは…ケルト神話最強の英雄が誇る対軍宝具。

    『ーーー抉り穿つ塵殺しの槍‼』

    如何に神の体表が堅くとも眼球は別、血に餓えた紅い獣は原初の女神の体内を奔り喰らい尽くす。

    頭の中を凶器が駆け巡る激痛にティアマトも必死に抵抗する。
    魔力の糸を奔らせ狂王を絞め殺そうとする。
    しかし盾の英霊の加護は英霊の肉体をより強固にし、致命傷には到底届かない。

    痛い、痛い、痛いーーー‼
    何故産ませてくれない?何故壊れてくれない?
    何故愛させてくれない?

    何故全ての生命の源たる母を…子供達が否定するの!?

    悲しくて、痛くて、寂しくて、恐くて…自分を取り囲む全てー

    『アァァァァァァァァァァァァァァァァ‼』

    吐き出される生命の泥の奔流。
    マーリンに変換されるより早く、狂王をマスター諸とも飲み込もうと奔る。

    壊れて穢れて溶けて1つになれば‼
    そうすれば愛させてくれるのでしょう?

    妄執以外の何者でもない暴威
    全てを黒に染めようと迫る濁流が…壁に塞き止められる。

    それは全ての傷、全ての怨恨を癒す…我らが故郷

    『今は遥か理想の城‼』

    届かない。
    生命の海も、万物を砕く腕も…たった1枚の壁を何故越せない!?

    何度も何度も挑みかかり、皹さえ入らぬ城壁に我を忘れていた彼女の耳にー
    世界が軋む音がした。

    彼女の失策は2つ、最初からマスターだけを狙わなかったことが1つ。
    そしてもう1つこそは…彼女の肉体を粉微塵に砕ける唯一の存在に時間を与えたこと。

    『この一撃を以て決別の儀としよう…』

    忘れもしないその声…その肉体…
    私達の子供…そして私達を裏切った子供
    神の血を受け継ぎながら人を選んだ子供

    憎い憎い憎い!
    お前さえ居なければ私達はー

    届かない…声も、嘆きも、抵抗も
    白亜の壁の向こうで男が口ずさむ詩が終焉を刻まんと恙無く流れる。

    原初を語る
    天地は別れ、無は開闢を言祝ぐ
    世界を裂くは我が乖離剣

    星々を廻す渦、天上の地獄とは創世前夜の執着よ
    死を以て鎮まるがいい…‼


    『天地乖離す開闢の星‼』

    迸る空間断裂の嵐ー凝れこそは彼が最高傑作たる所以。
    天地冥界の理を束ね、世界を切り裂く権能。
    自ら神秘を破棄した彼は現代において全霊を振るうことは叶わない。
    しかし此処は彼の国、紀元前バビロニアー神秘が最後に残った時代なれば

    崩れていく、裂かれていく…母を取り囲む世界その物が。彼女の内に渦巻く無限の命が。

    嘆きを謳い消え逝く神に、二人の王が決別を下す。


    『眠れ…永遠にな』
    『二度と起こす者は居らん』

    • 2 ふぇいます 2017-03-23 11:17:03 41DOKJm5RDkLT

      >>1

      うわ~びっくり…。
      これはもうSSのレベル超えてるよ!
      えと、ヘタレイ王さんでしたっけ?
      続き読みたくなってきたよ!
      応援してるね!

    • 3 リライター 2017-03-23 12:12:26 do0DweLdKZWm6kl

      >>1

      流石です!ヘタレイ王さん!

      続きオナシャス!

  • 4 はなの魔術師 2017-03-23 21:10:01 Pkm1xu0gGXf91ad

    あの時の熱い想いが蘇って面白かったよ!ヘタレイ王くん
    ...やっぱり慢心ゼロ王はカッコいいね〜
    あ、悪いけど新規の人にはネタバレになると思ってsageさせてもらうよ...ゴメンね!

  • 5 お団子の旅団団長リオ☆(ゴルゴルの以下略) と、その仲間たち(風呂あがり) 2017-03-23 23:27:01 qZIsg2K33g2N0PI

    最高です!さすがヘタレイ王!

返信はreplyボタンから
アップロード

最新コメント一覧

スレッド作成

スレッド作成
アップロード